50曲2850円をみて、これは手ごろだと直感し、友人を勧誘し注文した。
ショッピングに慣れていないので、手間取ったが、商品を手に取ったときの感触は、なんともいえぬ満足感を得ることができた。早速開封し、CDをかけてみた。またまた感動した。さすがキングレコードだけはあると、感心した。何回も何回も聞き、いろいろのコンクールに挑戦する意欲がわいてきた。今宵は吟士になったつもりでいい夢を見たいものだ。
そういえばフィッシュストーリーの中にそんな短編あったなあとTSUTAYAのDVDコーナーでポテチのジャケットを見て思った。 映画を見ているとテレビドラマのような安っぽさ、カメラアングル、照明のセンスのなさ、キャストのセリフ棒読みにうんざりした。しかし、中村義広監督、濱田岳コンビだし、一時間だし、と思って我慢した。始まり方も唐突だし、会話の内容も意味不明だったが、伊坂幸太郎が書いたセリフか、と我慢した。ついでにいえば中村監督は出るべきではないと思う。出るならもう少しわきまえてチョイ役で良いと思う。監督は監督業に徹するべきだ。(GOEMONの紀里谷監督のように) しかし、しかしだ。後半急に逆転劇が起きた。内容はネタバレになるのでここには記さないが、ホロリと来てしまった。原作も読んでから時間が経っていたので、不覚だった。今までの退屈さを翻し、逆転サヨナラホームランを打ってくれた。濱田岳の彼女役も美人で良かった。演技力はこれからどうにかなるだろう。黒澤役の大森さんも良い味出してた。しかし、竹内さんがどこに出ていたのかわからずもう一度見たい。長編にしても良かったんじゃないん?監督。
短編とはいえ上映時間は68分ですから、セリフやエピソードの取捨選択はあります。少々アレンジしたのもあるし、カットされたのも。でも大丈夫。バランスがいいし、決して原作の空気感を損なっていません。 無駄に引っ張って長くもなく、かといって上辺だけなぞっているわけでもない、68分という長さがちょうどよく、その中にギュッといろんな思いが詰まっている映画に仕上げてくれました。
あの時のあのセリフがこう効いてくるのか。原作未読の人は、そんな発見を楽しめるでしょう。今村が何に気づいてしまったのか。それから彼が一番に思ったことは何だったのか。私のような既読の人も、伏線を分かっていながら改めて切なさを噛みしめて、ストーリーを知っていても、いや知っているからこその面白さがありました。原作を読んだとき以上に、せつなさと温かさ がこみ上げてきて、すごく良かった。タイトルにもなっているポテチを「コンソメ」と「塩味」取り違えのシーンなどは、それだけで凄くせつなくなってしまった。
濱田岳がホントにいい。「ゴールデン・スランバー」の憎めない通り魔殺人者キルオは、彼を『当てがき』にしたそうですが、この今村もそれに近いかも。 空き巣という仕事に就いていながら、空き巣に入った先で聞いた留守電の相手を助ける人情味のある憎めないキャラ。本来関わらなくてもいい、むしろ関わるべきではない相手にも関わっていく人のよさ(笑)。 今村の彼女となる若葉を演じた木村文乃は、よく知らない女優ですが、緩急のある感情表現がなかなかいい。基本的にホンワカ系ですかね(笑)。原作にあった「ステンドグラスの前で、あ、いい女と思える女がいたら、私です。」なんてセリフをどんな風に発するのかちょっと観て見たかった。 「私、娘が欲しかったの、こんなバカ息子じゃなく」とか言って若菜と仲良くなってしまう石田えりの飾り気のない今村のお母さんぶりも観ていて心地が良かった。若葉とのやり取りもずいぶんカットされちゃったかな。 大森南朋の黒澤は、原作のイメージと違うと思ったけれど、段々違和感なくなってむしろピッタリかもと思えてくるから不思議。 そして、忘れてならないのが、中村親分。中村繋がりで「俺がやる」と、自らキャスティングしたそうですが、空き巣なのに、元々のいい人オーラがそのまんま出ていて、憎めない(笑)。
本来いるべき所にいない悲しさ。食べるはずだったポテチを食べられない者の悲しさ。「コンソメ味を食べたかったけど塩味もいいな」という若葉の言葉...。 クライマックスの「ただボールが遠くに飛んでいっただけのホームラン」が感動的で泣けます。 あっ、エンドロール後におまけ映像があります。運動神経の悪い空き巣、中村専務(?)のキャラがいいよね。ちょっと笑えます。
木村監督は撮影監督しては素晴らしい経歴の持ち主であり、映画「剣岳」の映像も素晴らしいの一言だ。 「剣岳」は映画作品としては残念な作品であり二度鑑賞するのは苦痛であったが、このメイキング作品は非常に楽しめた。
そもそも映画「剣岳」は撮影が非常に困難な映画と聞いていたので、その困難さをドキュメンタリーで目の当たりにしてとても興味深かった。 メイキングであっても流石に木村フィルムだけあって映像が綺麗!これほど映像が綺麗なメイキングも珍しい!
本編よりも遥かに(と言ったら失礼かもしれないが)面白い作品だった。 スタッフ、キャストの思い入れがたっぷりです。 映画作りに対する映画愛というものを感じる。
この本は、今上映中の映画「劔岳 点の記」を初監督するに至るまでの、木村大作の50年の映画人生をインタビュー形式で語ったもので、雑誌「キネマ旬報」に1年近く連載されていた記事を編集・加筆したものである。 木村大作は、「八甲田山」や「鉄道員」など、日本の有名な映画50本を手がけた名キャメラマンで、20余の映画賞を総なめにした人。映像や映画製作への独自の限りないこだわり、歯に衣着せぬ独特の語り口やキャラクター。70歳を前に初監督となった過酷な山岳ロケの「劔岳点の記」公開宣伝のため、メディア上すっかり有名になった感があるが、その語り口がそのまま本誌に現れ、楽しい限りである。
独自の芸術哲学を貫き通すキャラクターのため、最近は周囲との摩擦や軋轢で、若い監督などが使ってくれなくなったというが、その映画人生は何とも壮烈な歴史だ。 このインタビュー構成では、日本の映画の製作事情や製作現場、そして映画裏話、また俳優のエピソードなどがふんだんに盛り込まれ、かなり圧巻であるが読みやすいし、読み始めると止まらない。
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