リチャード渾身のリマスターが見事に成功し、SHM-CD化も相まって素晴らしい音質で、「音質も音楽の楽しむべき要素の一つなんだ」と感じさせてくれます。
しかも日本オリジナル。日本人で良かった。カーペンターズの真価に今頃気づくとは。私は今まで何をやっていたのか?
カレンの天才さを充分に活かすやり方を偏執狂のように模索して来たリチャードがやっと辿り着いた到達点だと思います。カレンの天才はようやくそれに相応しい器を得る事が出来たのだと思います。必聴盤だと思います。
ノーマン・ロックウェルの画集を開くと、たった一人で鏡を覗いている少女がいます。ごった返す様に沢山の人々が描かれている絵もあります。
しかし、どの絵も一様に、登場してくる人達がその時々の感情を生き生きと語りかけてきます。
その根底に流れているのは、ロックウェルの人間への深い愛情です。
ロックウェルの絵に主人公はいません。全ての人が主人公であることを彼は知っていたからだと思います。もし、ロックウェルが描き残してくれなければ、誰の目にも留まることなく過ぎていってしまったはずのワンシーン。人々の瑞々しい心が生み出す一瞬の奇跡を、ロックウェルが永遠の作品にして私達に残してくれました。
この画集には、男と女、グラデーションを見ているかのような様々な年齢、そして人種の心が漏れなく描かれています。
この画集は、私に、人は決して家庭や職場、学校などの限られた空間で生きているのではないことを思い出させてくれました。本当のところ、自分に無関係な隣人など一人もなく、生きている誰もが共に豊かに人生を謳歌しているのだと。
調べたところ、ロックウェルの画集は、新しいものがハードカバーで出版されているようです。比較はできませんが、私は、ソフトカバーのこの一冊をいつも手に届く場所に置いて、時に、ゴロゴロしながら眺めたりと、本の隅がぱさぱさになるくらい、繰り返し見ていました。ロックウェルの作品の全てが網羅されている訳ではないのかもしれませんが、松本猛さんの編集、解説によって、素晴しい一冊に仕上がっていると思います。
当時のアメリカの文化、歴史も見えてきます。
1954〜1966のアメリカのヒット曲(ポップスとロック)の名曲100曲を選んでいる。イギリスを入れないのが憎い。イギリスを入れると勢力図が後半の3年間(つまり1964〜1966)でかなり侵食されてしまうからだ。1位が気になる方は買って見ていただくとして、個人的にはサム・クックの作品が結構評価されているので好感している。サム・クックは歌手としてだけでなくソング・ライティングの才能をもっと評価してもいいと思っている。個人的には20世紀最高のシングルだと思っているビーチボーズの「グッド・バイブレーション」が3位なのがやや不満。やはりこれが1位でしょう。それはさておき、100曲を見てみるとやはりいい曲が並ぶ。あの時代の曲は風情があります。45rpmのシングル盤の時代でした。
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