独自の文化を色濃く残す世界の国々を実際にホームステイしながらまとめた記録です。
共に生活しながら人間の基本となる衣食住を中心にまとめたレポートはおもしろく、通常の観光などでは見ることのできない壁の向こう、現地の人たちのナマの生活を垣間見るようで読み応えがありました。
また文中に添えられた写真、家屋の構造を描いたイラストなどもよく出来ていて、この点にも好感を持てました。
こういう本はありそうで中々なかったタイプで、おススメです。
さすがの定番ガイドブックです。そつなく、ポイントを、押さえていますが、五感に感じる部分が、欲しいですね。
『イエメンで鮭釣りを』面白かった。
<信じることを信じられるようになるために>主人公のジョーンズ博士はずいぶん多くのものを失ったわけだけど(鮭プロジェクトに関わる前に持っていた、世間的な「いいもの」はほとんど失って)、それで代わりに得たものに彼はまんざらでもなさそうなのが痛快なのだ。
世界は刻一刻と生まれ変わり、小説は反映する。
ジョーンズ博士のアシスタント・ハリエットの恋人はイラクへ出征してそこで汚い作戦に利用されて命を落とす。そのショックでハリエットは博士のもとを去り、ジョーンズ博士は失恋を経験することになる。アルカイーダの傍受メールが飛び交う職場の混乱のなかでも、実直な水産学者のジョーンズ博士は、鮭の稚魚を砂漠の大河に放流するというバカげた国家プロジェクトを投げ出さない。
この小説は最後まで読んだほうがいい。ラストで鮭をイエメンで放流するシーンは文章を読んでいて圧巻だった。すべてを失って、もしかしたら最初で最後の恋も失って、それで彼のなかに最後に残ったものが鮭プロジェクトの皮相な顛末である。偉大なるマスターマインドであったシェリフの最後。そして物語そのものの不可解さを象徴するような関係者の態度の激変。しかしシェリフがジョーンズ博士の記憶の中に残して行ったもの・・それが「信じるこころ」であった・・という大人のための小説である。こうして書くとバカみたいだが、読者を納得させてしまうのが作者の力量。
しかし作者は、砂漠の国イエメンに行って、鮭の稚魚を放流するというプロジェクトに巻き込まれる水産学者の小説・・なんてどうやって設定を思いついたのだろう?
児童婚問題は、内政問題としてほっておいて良いのだろうか?児童婚の背景には、女子に対する教育問題があるそうだ。学校に通わせるにはお金がかかる。いつまでも両親と暮らす娘は、ヒンディー語で「他人の財産」と呼ばれる。アフガニスタンでは、家庭内の虐待から焼身自殺を図る女性が後を絶たないらしい。
プラントハンター西畠清順氏がメディアで活躍する姿が放映され、 イエメンのソコトラ島がTVで特集されるようになりました。 風が強く乾燥したこの島にすむ動植物は固有種が多く、 ミステリアスな姿かたちをした希少種ばかりです。 特に表紙を飾る「流血樹」や本書の中に出てくる、 「アデニウム」別名砂漠のバラ「デザートローズ」などは 何としても実物を現地で見てみたい衝動に駆られます。 「秘境」そんな言葉がしっくりくる島です。 世界遺産のエリアでもあり、イエメン本土の街並みも掲載されています。 秘境の旅や神秘的な巨樹に憧れる方におすすめの本です。 ガイドブックとしての価値も非常に高いです。 ぼんやり眺めながら、想いを馳せています。
2012年2月時点、外務省HPによるとイエメン全土に退避勧告が出ており、 残念ながら渡航を断念しました。 いつかは訪れたい島です。
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