ジョン・ウィリアムズの若き日の名演奏の数々。
タイトルどおりスペイン・ギターのレパートリーの中から
名曲中の名曲がほぼ網羅されている(編曲ものも含む)。
正確なタッチと端正な曲作りに加え、スペインの情緒をも
見事に表現している名演は、さすがウィリアムズ!!
私は高校生の頃この一枚でクラシックギターにはまりました。
豪華な演奏者が勢揃い!
ってだけでももぅゲットさせていただく価値あり、ですよ。
さまざまな背景を持つスペインの多様性に混乱しそうなくらい。
こういう聴き方がときにはスペインの本音も聞こえてきそうで
お呼びじゃない私でも ある意味 席を同じにさせてもらっちゃってる!?
ちゃっかり おこぼれ頂戴してるんですね!
アルバムのタイトルは、「PUERTA DEL SOL」(プエルタ・デル・ソル)。太陽の門。熊本マリさんが10歳からの6年間、家族とともに住んだスペインはマドリードの街の名前。<いつもスペインの太陽は、私に勇気を与え、見守ってくれた>(熊本マリ著『ラ・ピアニスタ 太陽の門から』ショパン刊)と語るマリさんの、これは故郷に捧げるスペイン音楽集。
くっきりとした粒立ちのクリアーなピアノの音。背中のしゃきっと伸びた音楽性の晴れやかさ。生き生きとして、爽やかな気分にあふれたリズム感。聴いていて、とても清々しい気分になりました。
いかにもスペイン!て感じの躍動感はじける曲もよかったけれど、それ以上に、ゆっくりとしたテンポで奏でられる、光と翳(かげ)の「翳」の色合いを感じる曲の演奏がよかったな。アルベニスの「コルドバ」(『スペインの歌』より)、グラナドスの「オリエンタル」(『スペイン舞曲集』より)、同じくグラナドスの「マハと夜鳴きうぐいす」(『ゴイェスカス』より)といった曲。
また、優しいファンタジーの調べに満ちた小品、ロドリーゴの『セシリアのアルバム』からの2曲も素敵。「金髪の妖精のうた」と「ちいさな黒人の男の子、ペポ」っていう曲。マリさんが、「ね、こんなのもいいでしょう」って宝石箱から取り出した音楽みたい。きらりと光っている風情が可憐で、愛らしかったな。
あと、ファリャの「火祭りの踊り」(『恋は魔術師』より)のダイナミックな演奏が忘れられない。心沸き立つ躍動感があって、聴いていてはっ とさせてくれて面白かった。
2004年7月11日〜13日、彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホールでの録音。
おしまいに、ライナーノートに記されていた熊本マリさんのメッセージを掲げておきます。
<今回のアルバムは、久々のスペインもの。私の故郷でもあるスペインのベストを残しておきたかった。スペイン音楽ファンのため。まだスペイン音楽を聴いたことがない人のためにも。 新鮮、発見、情熱、希望、そして、愛。人生に必要な要素。音楽もその一つであり、心を若がえらせてくれる。 このアルバムが、皆様に、沢山の幸せをもたらしますように!>
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