映画のためなら人の命さえ犠牲にする活動屋、スターであり続けるために愛人の人生を踏み付けて恥じない名声バカの役者、、愛する男のために嫌々大部屋役者と結婚したものの、いつの間にか夫に尽くす女、それぞれ何かに突っ走り、互いに傷つけ合う人間模様が、コミカルに描かれています。義理人情のために命を捨ててきた大和魂の新しい形なのだと感じます。 登場人物のバカだけど、一生懸命さに心打たれる日本映画の傑作です。
つかこうへいさんの原作・脚本。若い井筒監督の東映の仁侠映画を髣髴させるようなコテコテの演出。キャスティングも超一流揃い、大変すばらしい作品です。チョット残念なのは岩城晃一さんの演技が・・・今見ても楽しいですよ。
70年代後半から80年代前半の、いわゆる“三無主義のシラケ世代”の時代に、東京の小演劇界をリードしていたのは、寺山修司でも唐十郎でも清水邦夫でも野田秀樹でもなく、紛れもなくつかこうへいだった。当時、1800円で紀伊国屋ホールにて定期的に打たれていた公演は、小演劇界唯一無ニのプラチナ・チケットとして伝説的であったし、貧乏学生には、入手するのが至難の業だった。 でも、つかさんは大学の、看板俳優だった三浦洋一と劇団員の高野嗣郎は高校の、それぞれの先輩と言う事もあって、身近なコネにおすがりして、何度となく劇場に足を運んだものだった。 後に、直木賞は取るわ、各映画賞は総ナメだわで、一躍時の人となった記念作「蒲田行進曲」の初舞台も幸運にも観たが、有名な映画版とは違う柄本明のヤスと、加藤健一の銀ちゃん、それに、根岸季衣の小夏の3人による、卑屈とマゾヒズムとコンプレックスが狂信的にまでに高められた取り憑かれたような演技合戦は、今も記憶に残っている。 つかこうへいの1975年から2005年までの、30年にも及ぶ作品上演の軌跡を追った本書など、だから凄く同時代性と懐かしさが襲ってくるのだが、つかこうへいが凄かったのは、演劇界のカリスマとなった後も、積極的かつ地道な創作活動を今も続けていた事。阿部寛、筧利夫、石田ひかり、内田有紀、広末涼子、黒木メイサら旬な俳優たちを鍛えながらの自身の代表作たちへの斬新な改ざんとアプローチは、ひとりの演劇人としての、正に魂のヴァイタリティのようなモノを感じてしまう。 “ダメな人間に同情して自分もダメになってしまった優秀な人々”、これは、かつて、つかこうへいが、学生活動家を逆説的に揶揄していった有名な言葉であるが、実はつかさんも、理不尽な世の中に怒りを覚え、熱く語りたかったんだと思う。
Youtubeにこの本の中身がみられる動画があります。
Kazuaki Artworks で検索すると出ると思います。
最近こう言った本の中をパラ見せする動画が増えています。 文字での感想を見るより、 本の良さが一発でわかると思います。
この動画を見て買おうと決めました。
映画的には新人監督の、しかも奇をてらうことの大好きなつかこうへい原作の、おせじにもうまいと言えないアイドル牧瀬里穂主演の……駄作中の駄作です!!!時代劇としては完全に破綻している。ただ、渡辺謙さんの復帰作としての意義は深く、特典映像はかなり貴重で(特に『天と地と』の幻の謙さんバージョン)、それを含めた評価で☆3つ!!!渡辺謙さんの元気で若々しい演技は、たとえ映画として失敗していても、ファンとしては見るべき作品。
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