昔カセットで持っていた「The Fool On The Build」が無性に聞き返したくなり、このベスト盤の存在を知ったため購入しました。歌の内容はとても重く、昨今の軽やかなのりになれている人にはつらいかもしれませんが、骨太の男のロックと痛いくらいに真剣に人の生と向き合った歌詞はとても癖になります。
理想の愛や純粋な愛などではなく、どこにも属せない男や女が孤独に世界に立ち向かっているひたむきな姿をまるで短編小説のように綴っています。「生きる理由も見当たらない 死ぬための理由もない」というコピーがこのアルバムの世界をとてもよく象徴していると思います。
心を込めて真摯に語りかけてくれるアルバム。 人生の中の夢、情熱、愛、死、別れ、郷愁・・ 様々な場面が、深く切なく澄んだ音やロックと共に展開される。 最後の「夢の国へ」は時代や世代を問わず、ずっと歌い継がれるであろう子守歌。 「おやすみ」とささやく彼の声で、 まだまだ続く人生への余韻を残し、アルバムはそっと終わる。
「夢の島」から聴き始め、今「夢の国へ」に来て、 彼の根底に流れていると感じる、愛と美学と真摯な響きは、音も言葉もさらに純化されて、 思わず耳をすませて聴いていた。 小山卓治の幅の広さに、改めて新鮮に出会える人生の1枚、圧倒的な存在感!!
シンプルなだけに、詩の力を感じた。
石野田奈津代の歌声は素晴らしかった!!
突っ走っていた「ROCKS!」以来、10枚目、実に8年振りのフルアルバム。 時を重ねて丸さを帯び、それでも青を無くしていない。 何度も何度も聴いているうちに、大人の、男の、心の声が、静かにこちらに伝わってくる。 楽曲は全体にアコースティック。 が、高橋研さんとの共作「ジオラマ」は力強く、アルバムのアクセント的存在。 どの曲の音も出過ぎる事なく、それぞれの個性で、小山の言葉たちに色をつけている。 これはここ最近の、小山のLIVEの雰囲気をも思わせる。 「汚れたバスケットシューズ」はまさにライヴテイク。 小山卓治と仲間達。その声と臨場感は聴いていて、それを浮かばせ心楽しい。 だがその中でもイチオシは「ユリエ」。きれいな音の中にある、その物語を読んでみて欲しい。! 「今夜のアリバイ」「ある夜の電話」このあたりの歌詞の切なさも、曲調、音が上手く引きたてている。 その他「種」や「最初の奇跡」極端なハデさは感じられないが、それがなお歌詞を届かせる。 ここに今伸びやかに囚われず、楽曲に取り組む小山が見える。 本当に何度も何度も何度も、繰り返し繰り返し聴いていたいアルバム。
「On The Move」完全盤です。
全24曲、当時CD未発表の「Yellow Center Line 」も収録されている上にリマスターのおまけ付き。
「Midnight Primadonna」の音源は泣けます。
小山卓治&DADが、一番勢いのあった頃の音源です。
昭和62年当時、オリジナルは10曲入りで2800円ですので、+14曲にリマスター編集なら、価格も妥当だと思います。
通しで聴くと少し疲れますが(笑)迫力のあるライブ盤です。
ジャケットやライナーも良いです。
補足として、この国では学生(子供)目線の曲は売れても、労働者目線は難しいんだよな〜。
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