超絶技巧を持つ三舩優子ならではの軽快なラプソディー・イン・ブルー!
それだからこそ肩肘張らずにゆったりとした気持ちで聞くことができる。
アルバム全体に三舩優子の自由な感覚が満ちあふれている。
タイトルにある通り、わりと新しいCMに使われているクラシックを集めたものなので
題名だけでは「?」という曲でも、聴いてみると耳にしたことのある曲ばかりです。
6枚組でたっぷり楽しめると思います。
ただ、中には「G線上のアリア」などCM用にアレンジしてある曲もあり、
そこが個人的にはちょっと残念だったかな…
でも、これからクラシックに挑戦したい、という方には
もってこいではないでしょうか。
クラシックって、難しそう!という先入観を持っている人でも、
聴いてみたらきっと、身近にクラシック音楽があふれていたことに気づくと思います。
最近の現代音楽の演奏の中でも稀にみる、ハイレベルの完成された演奏が楽しめる一枚である。 左右の手にバラバラなリズムと運動を要求する、バーバーのピアノ・ソナタは、譜面をさらうだけでも至難の業であるのに、三舩優子はこの超難曲を、いとも簡素でクリアな構造に仕立て上げ、クラシック音楽をあまり聴いたことのない者にも親しみやすく、わかりやすい音楽に再現している。 ともすれば無味乾燥で抽象的、意味不明の演奏に流れてしまいがちな、このソナタの文法構造をここまで鮮明化し浮かび上がらせることに成功した演奏は、おそらく過去のいかなるピアニストのレコーディングにもない、特筆すべきものがある。 一曲一フレーズへの細かい色づけの結果、曲全体の雰囲気も極めて特徴あるものに仕上がっている――『間奏曲』がかもし出す静けさと安らぎ、一瞬の沈黙の深い意味。作品『遠足』の軽快なリズムの裏にある作曲者自身の遊び心や悲哀。 バーバーの音楽は、総じて透明感のあるフレーズや音の重なりとともに、その間につねに繰り返し現れる「沈黙」の瞬間が、もうひとつの「音」としての実に重要な役割を与えている。まさに「沈黙」も「音」の一種であり「音楽」の不可欠の構成要素であることを、これほど直截的に感じさせてくれるのは、バーバーならではの醍醐味だ。 この作品集は、長年レコーディングの構想を温めてきた、バーバーの演奏にかけては絶対の自信と深い愛着をもつ、三舩優子ならではの快挙であり、本人のデビュー20周年記念、さらにバーバー生誕100年を迎える今年を飾るに相応しい記念碑的演奏である。
タイトルの「サンタ・ルチア」が聴きたくて購入しました。とても良かったと思います。錦織健氏が歌っておられます。
ほか、個人差があるでしょうが耳慣れた曲ばかりなので、1枚フルに楽しめると思います。個人的に嬉しかったのは、ラ・カンパネラと奇想曲第24番(カプリース第24番)が収録されていた事でした(タイトルしか見ずに求めたので収録されている事を知らず)。
ここの情報紹介では歌手や楽器が分からないのでその点が少し難かもしれないですね。例えばラ・カンパネラはピアノ演奏で…等。しかし奏者が掲載されているのである程度は測れます。
書いていないものとしては2,3の歌を錦織健氏が。8が福井敬氏。9が緑川まり氏。
あとインデックスにはそれぞれの作品の解説が各10行程度で纏められています。
サンタ・ルチアの原曲(?)を聞きたいと思っていたので、日本語で歌っておられたのが少し残念、それで星マイナス1にしました(しかしこれはCDジャケットを直に見てもわかりませんが)。
一見親しみやすいジャケットのイメージからは容易に想像できない、本格的なプロのピアノ演奏を楽しむための一枚である。 まず、タイトルの『ウィングド』は、本CDに収録されている日本在住のアメリカ人作曲家、ブルース・スタークのピアノ作品名であるが、モダンで超絶技巧を駆使した現代音楽であり、随所で早いパッセージの連続や高度なテクニックが演奏者に要求される。しかし三舩優子はこの曲を全体を通してけっして力まず、終始自然なタッチで見事に弾き切り、スターク作品の特徴である透明感のある音色やハーモニーを出すことに成功している。 最初に挿入されているプロコフィエフの組曲『シンデレラ』はCDも少なくめったに演奏されない、これも高度な技巧を要する難曲の一つ。三舩優子はこれをダイナミックなスケールの演奏に変身させ、曲やフレーズごとに緩急をつけて曲想の違いを微細に表現し、聴きごたえのある音楽に仕上げている。 その他、クライスラー/ラフマニノフ編曲の『愛の喜び』『愛の悲しみ』も幾分ジャズ風にアレンジがなされていて面白い。シューベルトの『糸を紡ぐグレートヒェン』『アヴェ・マリア』のリスト編曲版、最後の収録曲であるバッハ/ブゾーニ編曲の『目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ』も、いずれもポピュラーな曲ながら、ピアノのポリフォニックな和音の多重で立体的な響きが生かされ、まったく別の現代の即興作品を聴いているような感覚に聴き手を誘い込んでゆく。 総じてこのCDで三舩優子が創りだした音楽は、ただテクニックの巧さが光るというだけではなく、色彩感あふれる個性豊かなピアノの音色と自然なタッチ、工夫され考え抜かれた音楽の運び方が全体に調和した醍醐味のある演奏として結実している。クラシック愛好家のみならず、ジャズやフュージョン愛好家にもぜひ薦めたい一枚である。
|