ジャズには、以前から興味はありましたが、あまりにも奥が深そうで、なかなか手を出せませんでした。 そんな時、村上春樹さんと和田誠さんのコラボレート作品である、同タイトルの本があることを知り、CDとともに購入しました。 結果は…。評価でつけた星5でもお分かりのように、とてもよかったです。 少し悲しいような、トーンがあり、はじけるようなパッセージもあり。 このCD1枚で、ジャズの懐の深さに少し触れたような気になれました。 自分でこの作品たちにめぐり合うには、たぶん遠回りしすぎて、息切れしていたと思います。この一枚にめぐり合えたことは、ラッキーだったと思います。 でも、ちょっとずるいのかもしれません。あまりの近道で。 ジャズの初心者にも、村上春樹さんの小説が好きな方にもお勧めの1枚です。
デクスター・ゴードンがブルーノートに残したアルバムはどれもレベルが高いが、このアルバムも傑作の一つ。アップテンポのナンバーとバラードがバランスよく選曲されて、テナー・サックスの魅力を堪能できる。特にバラードの解釈と演奏は、情感がありじっくり聞かせる。冒頭のマイナー調のアップテンポのナンバー「チーズ・ケーキ」は、デクスターのオリジナル。名曲です。ソニー・クラークとの相性もよい。1960年代モダン・ジャズの名盤といえる。
RVG Editionでの初リリース。デクスター・ゴードンは1962年にヨーロッパに活動拠点を移していて、1965年5月に里帰りすることになりました。この機を利用して、Blue Noteのアルフレッド・ライオンは、5月27、28、29の3日間でアルバム2枚を製作することにしてセッションを行いました。この27日の録音が本作になります。残る28日と29日の録音は、名盤として名高い「Gettin' Around」(4209)としてリリースされました。一方本作の27日の分はライオンには気に入られず、お蔵入りになってしまい、1979年キングレコードの世界初登場シリーズ(GXF-3055)として発表され、その後全米でもLT-989の番号でリリースされました。何故ライオンが気に入らなかったのか、Bob Blumenthalのライナーにその経緯が書いてあって興味深いです。内容は文句なくデクスターの演奏が楽しめます。特にバラードの情感の豊かさに比類なく素晴らしい。ハバードのトランペットもよい。この1965年はハバードにとってはコルトレーンの「アセンション」に参加したり多岐にわたってトライしているが、ここでは正当な美しい響きを聞かせています。3曲目の「Devilette」は当時Bob Cranshowのベースとされていたが、今回作曲者のベン・タッカーがベースとしてクレジットされました。60年代のデクスターの演奏はどれも一聴の価値ありです。
ベルトラン・タベルニエのジャズに対する愛情が伝わってくる。土砂降りの雨に濡れながら、ジャズ・クラブから漏れ聞こえてくる音に必死に耳を傾けているフランシスの姿は、ダベルニエ自身であろう。この冒頭のシーンを見ただけで、ジャズ・ファンなら思わず身を乗り出す。往年のパリのクラブ、ブルーノートを再現したセットも見事。クラブのオーナーと妻の「大人」の会話も絶妙。ステージを離れると怪しいところがないわけではない演技だが、デクスター・ゴードンのくたびれた巨匠ぶりもアカデミー・ノミネートに相応しいもの。 映画ではテナー奏者に置き換えられているが、テロップにもあるとおり、本作はモダン・ジャズ・ピアノの開祖バド・パウエルとジャズ・ファンのデザイナー、フランシス・ポードラとの友情物語(Dance of the Infidels)に、レスター・ヤングのエピソード(妻が美人の白人だったから軍隊でいじめられたという話など)を織り交ぜて作られている。人種差別が厳しかったアメリカを離れて、遙かに住みやすいパリに移るジャズマンは、この時代にはたくさんいた。1959年にパリに向かったバドは、このポードラの友情もあって、1964年にニューヨークのバードランドで奇跡の復活をする。しかし、再びアルコール中毒にはまり、66年に41歳で世を去る。なお、”バターカップ”というのはバドの妻のあだ名である。 映画でデイルがNYCに去った後、ラストまでのシークェンスは短いが、余韻があって印象的だ。 「バスケットボールは好き?」というせりふが妙に後に残る・・・。
他のレビュアーの方も仰る様に、これは奇跡的な名盤では無いでしょうか。
一曲目のTanyaが圧倒的にハードボイルドで格好良い。 BlueNoteガイドの評者が記述していた様に、 デックスの正に法悦境に足を踏み入れたかの如き演奏は 圧巻と言う他無いです。 で、やっぱり、バードの作曲能力は凄いですね。 私はバードのトランペッターとしての才覚やプロデュース能力、 全てが素晴らしいと思うのですが、いやはや、良い曲を書くモンです。
あと、三曲目のDarn That Dreamですが、名盤と名高い 「Daddy plays 〜」のよりもこちらの方が私は好きです。 何と言うか、より甘味を排した感じがすると言うか。 サウンドが良い意味で硬質と言うか。そんな感じがします。
ニールスのフレーズは新しい時代を感じさせるモノですが、 70年代以降のJAZZに有り勝ちな 「当時先端を行っていたサウンドやフレーズが、今聴くと実は時代を感じさせて逆に古臭い」 なんて事も当然無く、クール、格好良い!の一言です。 ケニー・ドリューのピアノなんて、もうこれは良いに決まっています。 ホント、綺麗な音です。綺麗で、でもパッションを感じさせる。 決して無機質な音ではありません。 アート・テイラーのドラムも素敵です。 チェンバース+ガーランド、トミフラも勿論ですが、 私の中では、彼が正に「名盤請負人」なんです。
デクスター・ゴードンには60年代、70年代以降にも名盤が沢山有るのですが、 私の中では、本盤は彼の傑作群の中でも最高のアルバムです。
クール且つパッションに溢れたサウンド。 ハードボイルド。 そんな言葉にちょっと惹かれる方には、是非一度聴いてみて頂きたいです。 先ずソンは無い筈ですから!
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