ヒートアイランドシリーズの4作目の「ボーダー」。別れたはずのカオルとアキや柿沢・桃井が再開し、当時の「雅」に扮した偽の「雅」の正体を明らかにする話です。本作の主人公はカオルで、「サウダージ」のようなドロドロした感じではなく、青春といった感じになっています。でも、1作目ほどの迫力やキレはなく、少し期待外れといったところでした。新たな展開もなく、残念でした。そのストーリーには「午前三時のルースター」で登場した中西慎太郎や長瀬が登場しましたが、やっぱり内容が薄く、迫力がないストーリーでした。と言いつつも、ボーダーの最後の言葉には心にしみるものだったと思うので★3つです。他の垣根作品やヒートアイランドシリーズの続きに期待しましょう。
大藪春彦賞、吉川英治文学賞、日本推理作家協会賞をトリプル受賞した作品ということでかなり期待値が高かったのだが、その期待をさらに上回る出来で、次のページをめくるワクワク感を与えてくれる本に久しぶりに出会った。自分の不勉強で知らなかったのだが、戦後のブラジルへの移住政策というのが日本政府の完全な失策であり、著者は、この移住者の多くにかなり過酷な結果をもたらした事実を現地まで赴いて克明に取材し、かなりのリアリティをもって書き起こしている。実際の過去の出来事の上に、悲劇の日系ブラジル人たちを主人公に据え、おもに日本とブラジルの両国を舞台にフィクションを重ねて描くスタイルで、そのスケールとリアリティと展開の速さには圧倒させられた。ハードボイルド系を好む男性にお薦めの1冊である。
いろいろな作風を見せる作家だけど、デビュー当時から読み続けている者としては、ここのところ、ついていくのが少し辛くなっています。 もう、あの血湧き肉躍るようなストーリーは読めないのでしょうか。 粗筋はごく単純で、それを文章力で持たせているという感じでした。けっこう露骨に「つづく」という終わり方に見えました。 それにしても、この狛犬は、気が遠くなるほどの時間をかけて肉体を得たあげく、なぜヤンキー並みの行動原理しか持ち合わせていないのでしょうか。いっそのこと、初めての食事や、初めての排泄をコミカルに表現するギャグ小説にしてもらった方が、楽しかったかもしれません。 ファンなのに、きつい表現になって、すみません。
ネタバレするのは嫌いなので、内容については省きますね。
やっぱ、この人、こういう男臭い小説書かしたらピカイチですね!! ワイルドソウル、ヒートアイランドが面白いと感じる事が出来る人なら読んで損は無いのでしょうか。 垣根節全開です(^-^)/
好みは別れるかもしれません、しかし!!僕の場合は文句無しの★5つです!!!!!
リストラ請負人シリーズの4作目。
相変わらず、ストーリや心理描写が細部まで考えられていて一気に読ませる仕上がりだった。登場している企業も社会情勢を踏まえた現実に合わせて考えられていたが、今回はちょっと物足りなかった。
表題作の「勝ち逃げの女王」には、前回登場した友達の山下が出てきたにも関わらず、特に盛り上がりも見せずに終わってしまったのが残念だった。
また、主人公村上とその彼女の陽子との進展具体や、面接助手の川田の内面についても、もう少し描いてほしかった。次回作に期待したい。
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