前作に引き続き、スポーツという一つのテーマを描写するために選ばれた曲は、どれも秀逸で、優れたものばかり。コンピレーション盤ではなく、あくまでも番組のサウンドトラックなのだけれども、その実、明確なコンセプトで選ばれた17曲には、既存のコンピレーション盤よりもずっとコンピレーション盤にふさわしい魅力に満ちています。 前作のリプライズとなる「Ameno」のリミックスは、攻撃的にアレンジされ、導入部にふさわしい曲。ところが、その直後にくる「リトル・スコティッシュ・ファンタジー」のカヴァー「Angel Voices Calling」は逆説的にも思える優しい曲。そして、巨匠ヴァンゲリスの「Voices」、さらに「威風堂々」と聴けば、すでにこのアルバムに引き込まれているに違いありません。 中盤、ややアンビエントな曲が数曲含まれますが、実は、それらの曲があってこそ、アルバムに優れたバランスを与えられているのだと思います。菅野よう子氏や日向敏文氏、岩代太郎氏、松本晃彦といったサウンドプロデュースの分野では実力派の曲が収録されている点、またそういった曲がレーベルを越えて収録されている点も見逃せません。 アルバムを締めくくるのは、やはり、「リトル・スコティッシュ・ファンタジー」のアレンジ「VOICE OF THE BRAVE」。何かをやり遂げたときにそっと響いてきそうな鮮やかなこの曲は、非常に印象的で、シークレット・トラック的に収録されているナレーションとともにずっと心に残ります。スポーツというドラマを硬派に追いかけている番組とともに、お勧めの一枚です。
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