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東京ROOST ヴァンデルロースト:交響詩「スパルタクス」

少々俗なタイトルを付けてしまいましたが、このCD一枚で作曲家ヴァンデルローストの魅力をたっぷりと味わうことが出来る嬉しい一枚です。再生開始直後に流れる拍手で意表をつかれてから『アルセナール』が終わるまで、片時も退屈させない収録内容。再生終了後は心地良い疲労感に包まれました。このCDの表題となっている『交響詩「スパルタクス」』と共に収録された『交響詩「モンタニャールの詩」』が二本柱で、『ポンテ・ロマーノ』や『プスタ』がプログラムのアクセントになっています。また『カンタベリー・コラール』の美しく荘厳な響きも本当に素晴らしく、同曲きっての名演ではないかと感じております。演奏そのものはもちろんのこと、収録内容=演奏会のプログラミングも「やはりプロはスゴイ」と唸るばかり。ヴァンデルローストの作風の特徴は何と言ってもその劇的な展開かと思っております。物語性を持った一つの曲が、彼の多彩なオーケストレーションで彩られていく様は聴く者の心を捉えてやみません。そしてそれを、確固たる実力と表情豊かな音色を持った奏者一人一人によって余すことなく表現されている辺り、さすが大阪市音楽団と舌を巻くばかりです。ヴァンデルローストの作品と指揮、そして市音の演奏という貴重なコラボレーションだからこそ生まれた一枚ではないかと感じました。おそらくこのCDを手に取るとしたら『スパルタクス』や『モンタニャール』を目的に、という方が多いかと思います。現代の吹奏楽作品の魅力の一つに、かつてのクラシック音楽に比べ一回りも二回りも豊かな物語性を持つ点が挙げられるのは言うまでもありませんし、ド派手で分厚くダイナミクスに溢れた作品が好まれるのは至極当然のことかと思います。現に私も上記2曲が大好きです。しかし、例えばの話ですが、このアルバムに収録されている『カンタベリー・コラール』にも十二分に傾聴する価値があることを感じていただければと考えています。シンプルな旋律がひとつひとつ積み重なり大きな流れを作っていく。デカい音=迫力!テンポが速い=カッコイイ!…そこから少し視線を離してみて、ちょっと趣の異なる音楽を愉しむきっかけにもなるかなと期待できるCDです。 ヴァンデルロースト:交響詩「スパルタクス」 関連情報

東京ROOST ザ・コンプリート・ルースト・セッション Vol.1

ハーマン・バンドの「フォー・ブラザーズ」の一員だったゲッツは、クール派ということになっているが、トリスターノやリー・コニッツのクールとは異なる、内面にマグマを抱えた、いわば冷たい炎ではなかったかと思う。レスター流儀のスムースなトーンばかりが強調されるので、「クール」のレッテルを貼られることになったが、9.のような演奏を聴けば、必ずしもそうとばかりは言えないことがわかる。ジャズ・ファンならば、「ゲッツ/ジルベルト」の前にこちらを聴くべきだ。 ザ・コンプリート・ルースト・セッション Vol.1 関連情報




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