Coo/遠い海から来たクー [VHS]
私は今年20歳になりましたが、幼稚園か小学生のころビデオ屋さんに行くたびにこの作品を借りてもらっていました。いまでも行くと探してしまう作品です。でもDVDが主流になった現在ではどこで探しても見つかりません…。本当にいい作品だった記憶があるのでもう一度見たいのですが残念でしかたがありません。
虎口からの脱出
クルマ関連の小説で私が一番気に入っているのはS・L・トンプスン著の「A−10奪還チーム出動せよ」(新潮文庫)です。
虎口からの脱出は、昭和初期の中国が舞台です。
作者の景山氏は、この小説を書くにあたり、上記のA−10奪還チームを読んで刺激され、自分も同様のクルマで走り回る小説を書こうとしたそうです。
とにかくおもしろい!
ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン
~歳がバレるが、私がロック喫茶でこのアルバム(もちろんLPで)と出会い、2「ROLLING~」など自分のバンドでコピイしていたのは70年代の話だ。当時品切れで、買いそびれるうちに結局廃盤と成りなかなかCD化されず手に入れ損ねていた。先日購入したこちらのバージョンは、紙ジャケットだからLPがそのまま縮小された妙な感じで、30数年振りの再会を果たした。古びてしまっ~~たとがっかりするかとも危惧したが、杞憂に過ぎなかった。本作を何の既成概念も無く、初めて聴く若い世代にはどう受け止められるか判らないが、イキの良かった70年代ロックは今の時代にも新鮮に受け止められるのではないだろうか。私は当時、ある学園祭のコンサートで彼等のステージを観た。ツイードのマキシコートの成毛滋がニコニコしながらギターを弾く姿や~~、角田ヒロ(現つのだ☆ひろ)のパワードラミング、高中正義のヘヴィなベース、彼等の放っていた強烈なオーラを今でも忘れない。
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元フィンガーズ出身のカリスマギタリスト成毛、70年には渡辺貞夫カルテットのドラマーとしてモントレーJazzフェスティバルに日本人初出場を果たしジャズに数枚のアルバムを遺した角田は71年、このフライドエッグでロックに復帰した。私は当時の渡辺貞夫カルテットのステージを観た一人だが、長髪でいかにもロッカーらしい角田のパワードラミングは当時のジャズ~~シーンに強烈な異彩を放っていたものだ。そして後にソロギタリストとして一本立ちする元エスケープの高中が、ストイックにベースでボトムを支えている。1はビートルズ「サージェント・ペッパーズ」4はツェッペリン7などユーライア・ヒープそのもの。EL&Pばりのプログレもあるが、当時はまだこんなオマージュも愛嬌の範囲だった。しかし私は2に彼等の神髄を見るし~~、名曲3や9ではあの「メリー・ジェーン」で周知の角田の「黒い」ヴォーカルが堪能出来る。ジャケ画は故・景山民夫氏によるイラストなんだそうだ。~
転がる石のように (講談社文庫)
自分の中のホーム・カントリーに出会うため、ギターを抱えて60年台末のアメリカを放浪する、横浜生まれの青年哲夫の話である。そのギターが実際に弾かれるのは小説の3分の2ぐらい経ってからだが。
様々な人との出会いが非常に印象的だ。薄汚いホテルのオーナー、バスの中で知り合ったベトナム帰りの男、日系シンガーとその同僚たち。
最後近くに哲夫が見る映画は『真夜中のカーボーイ』である。『イージー・ライダー』よりも音楽の趣味で選んだという設定にしてあるが、小説のテーマからしてもやはり『真夜中のカーボーイ』の方がぴったりくるだろう。
音楽の方では、「転がる石」というのでローリング・ストーンズに関係しているのかと思っていたら、それは最後に1曲、それも別人によって歌われるだけであった。
遠い海から来たCOO (角川文庫)
少年と動物が心を通わせあう荘厳な物語と海洋冒険活劇というエンターテイメント性を併せ持つ小説です。
COOという古代水棲恐竜が登場する物語でありながらも、その描写力の見事さで、実にリアリティーを備えた作品でした。
前半を読み終えたときには、COOのヌメヌメした肌の感触も、真っ黒な目も、仰向けに水の中に寝そべっている姿もはっきりと感じることができました。
主人公の洋助少年とイルカのブルー、ホワイトチップ、犬のクストー。彼らの仲間入りをしたクー。
フィジー、パゴパゴ島で暮らす人と動物の関係が愛おしく、いつの間にか彼らの幸福を祈っています。
それが突然打ち破られ、物語は、一気に大活劇に。
解説を書かれている田辺聖子さんが、直木賞選考の際、非常に紛糾した作品であると書かれています。
そして、COOに会いたい、とも。
1977年に日本の漁船がニューネッシーと呼ばれるようになった恐竜の屍骸のようなものを捕獲しました。
腐敗が激しかったため、海洋に投棄しましたが、その写真は報道されました。
この話が、作品のベースになっています。
読み終えて、心が晴れ晴れする素晴らしい作品です。