キラークエスチョン (光文社新書)
ふたりきりになったときの気まずい沈黙。。。そんな経験は誰にでもあると思う。
そんな状況を打開する、相手の心を開かせる、26の具体的な質問を紹介する。そしてその質問の背後に隠された極意を伝授する。
ワタシが特に気に入ったのは、
「その服、どこで買ったんですか?」
「あなたのお母さんはどんなひと?」
「朝目覚めて14歳に戻っていたらどうしますか?」
「今日が人生最後の日だとしたら、今日スケジュールしたことをやるだろうか?」
一見、何気なかったり、突拍子もなかったりする質問にも実はしっかりとした背景があるんですね。
読めば誰かに話しかけたくなる、そんな本でした。
絶望に効くクスリ ONE ON ONE 15 (ヤングサンデーコミックススペシャル)
絶薬はこれで終わりらしいです。私自身、読み始めたのは一年ぐらいまでだったので、まだまだ続けてほしい気持ちでいっぱいですが・・・・山田さんの意見そのものは、あまり好きでは
無いですが前の見えない、希望のない状況でもがいて前に進もうとする姿勢には共感を覚えました。 様々な思想、様々な生き方が提示されているこの本はもっと多くの人に読んでほしいと思います。
資本主義卒業試験 (星海社新書)
ちょっと残念な1冊かなあ。
漫画付きの小説を新書で展開するという新しい手法。本書の著者の山田玲司先生は、自分が学生時代一番好きだった漫画の「Bバージン」の作者。期待を持ち過ぎたのかもしれないが、思いっきり肩透かしにあった気分。
資本主義社会を否定したい、という意気込みは伝わってくるけれども、資本主義社会をまじめに理解しようという気持ちが全くないことも同時に伝わってきてしまう。特に、「成長」が諸悪の根源という決めつけや、資本主義社会は「悪い金持ち」の貪欲さと陰謀によって成り立っているかのような戯画化された描写は、いわゆる典型的な中2病なのではないでしょうか。
そもそも、資本主義の理念は、事業から生じた利益を、浪費するのでも貯め込むのでもなく、ストイックに再投資に回す、この行動様式に支えられています。本書の主人公、漫画家「山賀怜介」は、節税の名のもと、稼いだ金をただ浪費してるだけ。これは資本主義社会以前の行動様式ですよ。また、浪費と惰性での仕事しかしていないのに、「自分が満たされないのは社会のせいだ」と思うのは、大人の発想ではないですね。稼いだお金は、次の作品のために惜しみなく注がれるべきでしょう。
とはいえ、まあ「Bバージン」の面白さは、主人公の煮え切らなさやもどかしさ、鬱屈感、自意識過剰にありました。20年の時を経ても、ほぼ変わらず本書で再現されている点は、懐かしく感じられました。