Balinese Ceremonial Music/Tabuhan
これはかなり面白いアルバム。収録曲は以下の3曲である。
マクフィーの「バリ島の儀式の音楽」、2台のピアノと管弦楽のための「タブー・タブアン」、ブリテンのバレエ「パゴダの王子」組曲
共通点はずばり「ガムラン」!。コリン・マクフィー( Colin McPhee 1900 1964 )はモントリオール出身のカナダの作曲家。ブリテンとは友好が深かった。民俗音楽を研究したマクフィーはなんとこの時代に6年間もバリ島に住んでいた。冒頭に収録された「バリ島の儀式の音楽」は2台のピアノ版ガムランである。しかもこれを弾いているのがマクフィー本人とブリテンである。録音は1941年。まずこの7分ほどの楽曲がめちゃくちゃ面白い。いやー、ピアノでガムランができちゃうんだ、と妙に感心してしまう。
他は2003年の録音で、演奏はスラットキン指揮のBBC交響楽団、ピアノはバーリーとアレイの二人。2台のピアノと管弦楽のための「タブー・タブアン」がこれまたガムランの傾倒音楽である。さらに西欧の伝統音楽に加えてジャズの要素までをも持ち合わせ、打楽器的に用いられる2台のピアノと色彩感あるオーケストレーションで、まさに音楽文化の融合(わかりやすいぞ!)が行われる。
負けじとブリテンの作品、バレエ音楽「パゴダの王子」。ここでも第3幕で、バリ島のガムラン音楽を思い切り良く組み込んだシーンが展開される。まさに露骨なマクフィー効果といったところ。なんでもこれが架空の国「パゴダ」の音楽になるのだとか。。。ジャケット写真にデザインされた三重の塔(なんでや!)と「ゲコ」(gecko;バリ島にいっぱいいますよね〜)のイメージとあいまって、西欧からみたアジアのエキゾティズムが全開の痛快無比な面白さ満喫のアルバムです!
Ghetto Blasters
アルバムタイトルに違わず猥雑でパワフルです。
とは言え、決して粗野な作りでは無くむしろ緻密で、通して聴いても凭れません。
バルカンポップとして、ロマ音楽の進行形として、充分楽しめます。
スカっ!と、楽しませるために作られた・・・そんなアルバムでしょうか。
《バリ》バリのガムラン1
バリが世界的な観光地になる以前、つまり「観光ショー・商売気のあるバリ」に
なる前のバリを記録した1966年の録音です。このページの試聴を聞いても
わかるとおり全体にアナログ録音らしい音の輪郭のぼやけと音割れがあり
聞き苦しい箇所もあります。
しかしこれこそが名もなきバリ島庶民の為の本来のガムラン、本来のケチャ
なのです。彼ら自身の生活に根ざした本当の音楽文化の記録なのです。
自然と精霊の島・バリ。神秘・癒しなどといった甘っちょろいイメージを
払拭する、あらぶるバリ音楽をあなたも是非。