作者は私たちの周辺のテクノロジーを総称して「われわれのマシン」と呼んでいる。
「われわれのマシンのサイズとパワーは桁はずれに大きくなったが災害の引き金を引くには
さほど大きな力を必要としない」という一文はハイテクに守られている現代の脆さに対する
警告が込められている。
原子力発電、ジャンボジェットなどの交通、工場、スタジアムなどの様々な例が挙げられ
事故が起こるまでのプロセスが克明に記されている。
星4つにしたのは、図と本文の連動性が少し足りないと感じたから。
内容については、敬服する。
終盤に出てくる1900年にミシシッピで起こった蒸気機関車の衝突事故の原因が、あまりにも
JR西日本の事故と一致していたのには戦慄した。
本書はこれから起こることも予言していると思う。
本書には、タイトルから想像されるような「毒は全くない」し、目新しい「センセーショナルな記述」や思想は書かれていない。 刺激的なものを求めて読むと、肩すかしを食らうと思う「真面目」な本なので、中高校生が読んでも差支えなさそう。 誰が読んでも差し障りがないような、原子力の歴史を語った「教科書」的な入門本という感じ。
構成は 序章 「原子力時代の幕開け」」 第1章 「科学の壁を切り開いた人たち」 第2章 「各国で動き出す原子力平和利用」 第3章 「最初の日本人たち」 第4章 「原子力報道を考える」 第5章 「内外の原子力事故から学ぶ」原子力船「むつ」、スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ事故、JOC臨界事故 第6章 「暮らしと直結する放射線利用」 巻末に年表あり。
「原子力の歴史、概略、過去にどのような論争があったか、諸外国の原発利用、過去の原発事故、科学的な原子力の簡単な説明と発明にかかわった科学者たち」について、著者の思い入れを排し、淡々と歴史とエピソードを紹介している本。
1979年。学生時代。アメリカ、ペンシルバニア州スリーマイル島で原発事故が起き、それに対する反原発運動・反核運動にロックミュージシャンたちが立ち上がった。その反核運動を象徴するのがNO NUKESのコンサートだった。このCD(当時はレコード。後に買い直した。)は当時の人気ミュージシャンがこぞって参加しているだけで、ただかっこ良くて、自分たちでも「Power」を何度も演奏した。自分の結婚式の二次会のパーティーでも演奏したぐらい。しかし、その反核運動はその後急速に衰退して行き、いつの間にかアメリカは原子力を推進する政策に転換した。それから30年あまりが過ぎた2011年3月11日、日本で、同様の、しかも、かつてないほど重大な事故が起こった。友人も被災し、直接ではないが、病に伏していた父が入院していた病院が地震の影響を受け、そのショックで体調を崩し他界した。また今も原発の風評被害に、地元の多くの人たちが苦しみ困り果てている。当時は何も解らないままだったが、今再び聴き直したら、日本とは違い、政治に積極的に関わるロックミュージシャンたちの熱気がビリビリするほど伝わって来た。確かにヒット曲を唄っているだけかも知れない。お前らだって電気を使って演奏しているじゃないか、という批判もあったらしい。だが、社会全体が原発を見直すきっかけをロックミュージシャンが作っただけでも意義があるじゃないか、と思う。無能な魑魅魍魎たちが闊歩する永田町。しかし何も出来ない。レディガガのメッセージのほうがよっぽど胸を打つよな世の中だからこそ、今再びこのCDを聴き直し、原発の問題を、自分のこととして考えるキッカケにするのはどうだろう。音楽が持つ力やメッセージをもう一度信じるキッカケにするのはどうだろう。こんなに力のこもったコンサートは、そんなにないから、今こそ再び聞き直す価値が、ある。僕はそう思う。そしてほんとうに久しぶりに「Power」を演奏しようと思っている。
著者は主に事故の分析を行ない、再発防止策を提示するノンフィクション作家。本書は1979年の米・スリーマイル島原発事故を題材にしている。著者の特徴は、その事故がどういう過程で起きたかを克明に分析することにある。題名の「2時間18分」にある通り、事故の起こり始めから、一応の収束をみるまで誰が何故そのような行動をしたかを時系列に詳細に記述している。ノンフィクションでありながら、読者はあたかも良質のエンターテインメントを読むかのように手に汗を握る。そして、結論は危険拡大防止策として用意されているあるシステムの一部を改良すれば「人の手で」事故の拡大を抑止できたという事である。マン・マシン・インターフェース等と簡単に言うが、どんなシステムを作っても最後は人間の知見と判断が勝負になる。危機意識を持って、人間にとって使いやすく安全なシステムを作っていくことが今後も課題となろう。
放射能が心配で定期購入している22年産米を食べています。 都度精米して送ってもらっているのですが、古米のせいか 1月も経つと味がすごく落ちてぱさぱさしてしまいます。 知人にすすめられて購入したクリーンコーラルで米をとぐと 古米もおいしくなり翌日でも問題なく食べられます。 お米をたくときには欠かせなくなりました。 野菜でも試してみようっと。
|