折々ヒョウになってしまう遺伝子を持って生まれた女の物語である。
この物語における変身は可逆的なものである為、 ヒョウになった女が人間に戻る場面もあるのが嬉しい。 敵役の科学者の悪女っぷりにも注目。
これが篠原千絵さん初の連載だったそうです。うーん、信じられない。繊細な綺麗な画と、変身人間(でも、人間です!)の哀しい宿命と、切ない純愛とが、絡みあってこんな美しい物語になりました。個人的にはサスペンスやホラーは一切だめな私ですが、そんなことを忘れてはまりました。変身人間の宿命に翻弄されついに勝てなかった倫子と小田切、その二人の間に生まれた麻衣が、慎也も含めた両親たちの手に入れられなかった幸せを、ついに手にしたとき、ほんとに救われた気がしました。個人的には倫子と慎也に幸せになってほしかったけど、その切なさがまたこの作品の良さの一つなのだと思います。是非読んでみて下さい。余談ですが、なんとなく洋画の「キャット・ピープル」(シモーヌ・シモンの主演したモノクロの)を彷彿させました。篠原さんがご覧になったかどうかはわかりませんが。
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