アルバムの曲名だけを眺めていると、多種多様という感じがしてしまいますが、意外にも、彼女のアルバムの中でも、トータルにジャズ・テイスト濃厚な作品集となっているような気がします。どちらかというと、ふんわりとしたストリングスをバックに独特の華やかさで唄うという彼女のスタイルの方が好きなのですが、これはこれで悪くはありません。録音も彼女のアルバムの中では上質な部類です。6曲目の『When The World Turns Blue』。色んな人が唄っているジョー・サンプルの名曲ですが、彼女の唄うこの曲もぜひ一度聴いてみて貰いたいと思います。このアルバムの中で、一番に、伊藤君子本来の姿が現れている曲ではないでしょうか。とても素敵な曲に仕上がっていると思います。
ボーカルの、伊藤君子さんもさることながら・・・やっぱ小曽根真。いいですね。大人の感じ。
本当に美しいものは言葉が出なくなるものです。この作品がそうでした。とにかく言葉にならないくらいにすばらしいです。このCDを買ってから、こればかり聞いています。耳から入ってきた音が頭の中に響き渡って、そして心にビリビリと伝わってきます。 みなさん、映画館では絵についていくのに必死だったと思いますので、今度は音楽をメインに味わってみてはいかがでしょうか。もちろん映画を観られていない方にもオススメします。
歌に対するその姿勢がそのまま現れているのか、天性のものなのか、・・・ 彼女の声には、真摯な少女性と、すべてを許し包み込む母性の両方が同時に存在しているようです。そして、こんな表現を許して貰えるのならば、ナウシカ的、あるいはジャンヌ・ダルク的と呼んでも良いような人に対する特別の吸引力、磁力をも備えています。・・・ ・・・ 覚束ない表現で申し訳ないのですが、このライブ映像を一度、観て、聴いて貰いさえすれば、その素晴らしさはすぐに理解していただけると思います。日本の歌手が、歌詞こそ英語ながら、日本的であることを隠すどころか、堂々と表に出し、しかも、ニューヨークの舞台で、その地の人たちを魅了している。ただ、そのことだけでも、どんなに素敵なことか。・・・ 誇りにすべき女性だと思うのです。
津軽弁の響きがこれほど美しく、情感に満ちたものだと初めて認識しました。大石学のピアノがいいですね。伊藤君子のベストアルバムとして推奨したい。
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