日付とメモを書く欄はしっかりあるので、手帳としての役割を十分果たせる本です。
また、1Pごとに何かしらの遊びが入っており、油断できません。
高田純二の遊び心が凝縮された内容です。
面白いものを作るぞ!という熱意を評価し、★を5つにしました。
ただし女性が持ち歩く場合(特に仕事)は注意です。
下ネタが多く、冗談が通じない人には不愉快な内容かもしれません。
(男性には大うけでした)
本のキャッチフレーズ
”使わなくてもいいよ、買ってくれさえすれば”
このままの本だと思います。
私も東京のラジオ局「大竹まことゴールデンラジオ」水曜日の冒頭で紹介されたのを聞いて拝読しました。
大竹さんの掻い摘んだ冒頭部分の紹介がとても上手で、父の遺骸を前に幼い勘一の涙を同じ歳の彦四郎が窘(たしな)めるくだりを聴いて、時代劇好きのスイッチが入りました。
この作品は前述の涙と最後にすべてを理解し、大坊潟試干拓跡の丘で号泣する名倉彰蔵と名乗るようになった勘一が、過ぎた歳月と数奇な廻り合わせを感動的に描いていたと思います。
2011年1月に百田尚樹先生が「大竹まことゴールデンラジオ」にゲストとして出演されました。当日アシスタントの山本モナさんは美容院でラストシーンを読んで、潤む目頭を我慢するのに難儀したと仰っていました。百田先生は関西で24年続く「探偵ナイトスクープ」のチーフ構成作家を務められている放送作家でもあり、近年小説家としても活躍されています。
作家としての御矜持は「いかに楽しませるか」であると仰っていました。
そのお仕事の来歴の中で培われてきた多岐に亘る人間の観察眼が、創作の中でも如何なく発揮されているのだと思います。番組で百田先生は、こんなお話を紹介されていました。「探偵ナイトスクープ」は依頼者からの要望で調査報告をする過程を紹介する番組。依頼者が先年亡くなった母親の遺品を整理していたところ、太平洋戦争で南方へ出征した父からの手紙を見つけたそうです。
経年劣化により手紙の判読が困難となり、亡き父より母へと宛てられた手紙の文面を解読してほしいというものでした。自分が母に宿っていることを知らずに戦死したと思っていた依頼者の方は、番組が手を尽くし解析した手紙の内容を知り驚いたそうです。判読できなかった手紙にはお腹にいるまだ見ぬ子供を案ずる文面が綴られていたそうです。
「身重であるお前」と書かれていたことがわかっただけでなく、判読不能だった最後の4行に辞世の句が書かれていたこともわかったそうです。「酔ふ心 君に訴ふ事ばかり ただに言へない 吾が胸の内」「頼むぞと 親兄姉に求めしが 心引かるる 妊娠の妻」。
戦死した父は自分が生まれてくることを切に願っていた。番組を通じ父の思いを知りえることが叶ったこと。依頼者も番組に出演されていた方々も目頭が潤んだそうです。
「影法師」を拝読し、百田先生がラジオ出演でお話された「父の手紙」を聴き、人を想う気持は何物にも代えがたい大事なものであること、本書に通ずる何かを感じました。
先日、本書を読書家である人生の先輩の方にお貸しし読後の感想を伺いました。彼女は「みねの想いが置き去りにされたようで可哀そうだったわね。」と仰っていました。私はこのレビューの中で雑誌連載時終章があったことを知り掲載誌を取り寄せました。それを読んで後「ああ、ちゃんと書いていてくれたのね。」と溜飲が下がったようでした。
単行本ではカットされた終章は小説現代 2010年 04月号 [雑誌]をご覧ください。
勘一、みね、彦四郎それぞれの想い。想いと託す者。「影法師」を読むきっかけを作ってくれた高田純二さん、その語り口で本書にぐっと引きつけてくれた大竹まことさんに感謝します。叶うことならば、朗読CDとして大竹さん語りをやっていたたげたら最高なのですが。
たくさんのみなさんに読んでいただきたい作品です。
日本を代表する2人の適当オトコの初コラボレーションという事で期待度が高かったのですが、やはり最高でした!
特にますだおかだの岡田圭右が、高田純次のエロ適当トークを全て完璧に拾うという新しい一面には、正直驚かれました。
今後のタカダオカダの展開が楽しみな1枚です。
蒼井そらもセクシーでよかったです!
TVで活躍する高田純次さん、そのものが本になったという感じです。
タレントさんなので、面白可笑しく書いていることが鼻に付くかな?
と不安もありましたが、なんのなんの…。
高田純次が文字になったら、本になったらこうなった!
とまるごと高田純次の一冊です。
私の人生の愛読書に決定です。
意外と短いので星4つです。ファンなので、彼が何をやっても面白いです。 でも、適当伝説のほうがよかったなぁ〜
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