中日時代に2度のリーグ優勝、阪神時代に18年振りのリーグ優勝。
そして今度は北京五輪の日本代表監督と、
「名将」の呼び名を欲しいままにしている星野監督ですが、
一方で野球ファンの間では、
「1度も日本一になった事が無い」
「腹黒く、計算高い」
「ただ世渡り上手なだけ」
という批判も、そこかしこで囁かれています。
ですが、単に“腹黒く、計算高い”だけでは、人を使い、
チームを優勝させる事は出来なかった筈です。
そこには星野監督の「人間としての魅力」が確実に生きていた筈なのであって、
中日時代に選手に鉄拳を見舞った話や、阪神時代における今岡誠選手の操縦法など、
実際に選手と触れ合う時は真剣に、心からぶつかっていたんだなという事が、
この本を通してよく解りました。
個人的に興味を惹かれたのが、明治大学時代の恩師・島岡吉郎監督の指導によって培われた、
「人を観察する事の大切さと、気配りの重要さ」
についてのくだりです。
星野監督の最大の武器とも云える「観察力の高さ」。
これが皮肉にも「世渡り上手」と陰口を叩かれる所以なのかも知れませんが、
それは他人を思いやる上で、とても大切な事なのではないかと、
そう考えさせられる一冊です。
初めて管理職に就くので、何かと不安に感じていた時この本が目にとまりました。
メッセージが素直に心にしみこんできて、不安が前向きな気持ちに切り替わっていくのが実感できました。
難しい言葉や専門的な内容ではないので、肩の力を抜いて読むことができます。
途中で本を閉じるのがもったいないくらいで、あっという間に読み終わりました。
部下の気持ちが分からない、自分の気持ちが分かってもらえないと思っている人や
私のようにこれから部下をもつ人は、心の負担を軽くしてくれるという点でも
お勧めしたい本です。
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