クジラの彼に続いての自衛隊ラブコメ第二弾!自衛隊員のベタ甘恋愛短編集デス!!自衛隊員の格好良さ、満点でした!自衛隊員への取材や逸話が活かされてる!!と感じるエピソードもたくさんありますが、自衛隊に興味なくてもフツウのラブコメとして充分すぎるほど楽しめます!クジラの彼では「空の中」や「海の底」のスピンオフ短編もありましたが、今回は掲載されてる最初と最後の短編につながりが。最初の短編だけだと「どうしてこの2人が…」とイマイチ不明なカップルが最後を読むと納得!デシタ。元気が貰える作品です!読むとすっごく恋愛したくなります(笑)!!
文体と構成とキャラクター。どれもいい。
作者は非常に「小説」を書く力のある方だと思う。登場人物全員(怪獣?のディックやフェイクも含んで)が、主人公にもなれるほどの書き方でありながら、キャラクターだけで読ませる小説ではないところもいい。
怪獣ものということですが、特に悲壮感はなく、知能の高い、けれども人間と同じ概念を持たない生物との会話が面白く、同じ概念を持つはずの人間同士の会話もまた面白い。
そして何より、作者の書く物語は切なくも温かい。決して見かけの温かさではなく。
物語全体に流れる空気は綺麗だけれども、ただ綺麗なだけでもない。
何と言おうか、なんだかとても、「人間」なのである。
SFとか怪獣ものとか自衛隊とか、読んだことがなくてもすんなり入っていけるんじゃないか、と思えるのは、そういう部分がメインだからなのではないだろうか。
登場する男性キャラクターが皆、色んなかっこ良さで描かれているのははご愛嬌。
7行のあらすじから生まれたという話ですが、たった7行からよくここまで物語が作れるなあと感動しました。
特に前半のヒア、カムズ、サン、キャラが際立っており、どの登場人物もこの物語になくてはならないキャラだと思います。
最初のエピソードで主人公真也がベテラン作家とのトラブルを解決するエピソード。主人公やヒロインの性格や関係を説明するための物語の導入部かなと最初おもいました。しかしそこで主人公が後輩編集者に言った言葉が、ラストに再度語られており、そのためのシーでもあったんだと思い至りました。
個人的には天然で癒し系、そうれでいてとても聡明なヒロインのお母さん、輝子さんが大好きです。こんな看護師さんいたらいいなあ。
柴崎・手塚の恋愛編ですけど、別冊1と同じテンションで読んだらダメですね。
甘々〜は期待したらダメです。そういう所もありますけど。
柴崎がかなり苦悩の連続でかわいそうになりますが、なかなかいい話でもあります。
堂上班と柴崎の信頼関係がとてもよく描かれていて、恋愛的な意味ではなく切なくキュンとなりました。
口に出す事こそなくても、郁の存在を大切に思っていてそれを自覚し、そしてさりげなく気遣っていたり、そして逆に郁の方はそれを自覚してるかどうかとは別の次元で直感的に柴崎を大事にしてて…とてもいい関係で描かれています。
そしてお話のメインである手塚との関係も、元々特別な2人同士が意地や建前なく向き合っていく様子が、展開は悲痛なものですが、じんわりします。
終盤の柴崎はつき物が落ちたみたいに可愛いですね。うらやましい。
有川さんも言ってますが、主役二人よりも具体的にハッピーエンドを描かれていて、あっちもこれくらい書いてくれれば〜とも思ってしまいます。
そしてこれで最後だと思うと、新刊発売を楽しみにした筋金いりなどではなく、文庫一気読みの私ですら寂しいです。
このキャラ達とさよならしたくないんですね、2次創作にハマる人の気持ちが初めてわかりました笑。
そのとおり。
分かりやすい対立や不条理から、その裏側を透かせる手法が良い。
チャップリンの映画のように思える。
なんかで読んだが、「豚が逃げ出して大笑いしている。豚は必死で逃げる。
農家は必死で追いかける。それを見て皆が笑う。しかし・・・豚は捕まれば
殺されるのだ。悲劇とは喜劇だ・・・」なんてのと同じ不条理さを感じる。
ナチスドイツの記録映画も、それを風刺したチャップリンの映画も、
どちらもコントみたいに見える。
20世紀少年もそうだったが、不条理さが現実と言い切れない不気味がある。
変にリアリティを出しすぎるよりずっと現実的と思う。
SFは読まないがこの本は優秀。
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