まず、真っ先に述べるべきポイントとして、作品のそもそも主題であるべきはずの「ビアトリス」の説明をほとんど入れていない。
そして、入学式当日、何の説明もなしにいきなり告白する主人公。
これらの事から容易に推察できるポイントとして
「ストーリー、設定?そんな物は飾りですよ。偉い人には分からんのですよ」
と、いう路線だと思われます。
この手の作品は過去に何度か作られている訳ですが、名作になるか駄作になるかを分けるポイントはそのただひたすらに楽しむべきシチュエーションを明確に推し出せるか否か。
この作品に至ってはツンデレ要素がその推しだすポイントですが、私がこの作品に対して極めて高く評価させてもらいたい理由はそれが出来ているから。
公式サイトによると「メガデレ」と呼んでいるらしいですが、ツンデレという物を大変によく研究されているというか、分かっている。
ツンデレ作品はそれこそ、星の数ほど製作されているのですが、その要素そのものを最も理解し、表現する事が出来ているのはこの作品だと思っています。
製作がZEXCSの川崎逸朗班、まぁ、通称「Canvas2」製作班ですが、この手の作品を作るのに大変に慣れているのを実に良く感じる事が出来ました。
吉田玲子さんを押さえられなかったのは残念ですが、原作がライトノベルで大筋は出来上がっていますし、上記理由からそんな有名脚本家を起用する必要もなく、培った技術を見事に開花させている。
少なくとも、私個人はそう思いました。
収録内容 プロローグ 魔女の告白 第1章 生徒会の掟 第2章 魔女ベアトリーチュと吉村護の学園・前編 魔女ベアトリーチュと吉村護の学園・後編 第3章 アストラル・ファイアは闇に消えて・前編 アストラル・ファイアは闇に消えて・中編 アストラル・ファイアは闇に消えて・後編
原作第1巻をそのままコミカライズした作品、以前にコミックで出ているキャラクター原案の佐藤利幸氏のコミックよりも読みやすい作品になっていますね。 なんか表紙のイラストだとイメージが若干違うんですが、中を読むと作品のイメージそのままです。
前作から引き続き、恋愛への免疫がまるでない二人による、甘い甘いお話です。 ビアトリス(魔法のようなもの)の天才である絢子と、 潜在能力を秘めているものの初心者マークな主人公の繰り広げる、 「あ~もう2人ともラブラブなんだからガーッ!っといかんかい!!」 なストーリー。 次回作以降では、物語に山場を設けてほしいと願います。 基本的に楽しいのですが、ピッチ走法のマラソンのように、 波風たたない物語。 読んでいる読者に「ガツーン!」と一撃をくわえるような、 そんな展開に期待します。
遂に最終エピソード突入!(次巻で終わり)前シリーズ灰色のアイリスのようにバイオレンスな展開になるかと思ったら・・・
冒頭は生徒会によるエメレンツィアの送別会、そしてガーティが登場し、綾子に・・・
ホラクルによりビアトリス制御が出来なくなり、普通の人間の気持ち(恐怖)を知った綾子の描写がいい感じです。
そして9巻から著しい成長を見せる護は、今までの(綾子に)護られる立場から、名前の通り(綾子を)護る立場へと、更に急成長を(カップルとしての二人も)、そして今回の敵?となるキャラと・・・
見所満載で続きますが、きれいにまとまった巻になっています。
アニメ化を機に平積みしてあったので、買ってみました。
内容は、学園モノの王道であるところの「学園祭」が主軸となって話が展開します。
しかし、起承転結を通して、ほとんど波乱のない無難な展開で、少し拍子抜けな感じもありました。
思うに、このシリーズは「絢子さんが可愛い」と思うか思わないかが評価の分かれ目です。
その絢子さんにしても、なぜ主人公が好きなのか、二巻時点では一切が謎に包まれています。
一巻時点でも、かなり強引なカップル成立に、残念ながら、私は感情移入出来ませんでした。
「内向的な少年が、一切努力せずに、美少女から惚れられる」という現代のエルドラドみたいな世界観を、
何の疑問もなく楽しめるという自信のある方にオススメ。
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