ジャック・ルーシェ、ジャーマン・プラス、キングズ・シンガーズなどそうそうたるメンバーが個性あふれる演奏をしますので、とても楽しいDVDです。バッハは誰がどんな風に演奏しても素晴らしいですね。 バッハ研究の第一人者の磯山先生も☆5つでおすすめです。
ガーシュインと言えば、まず「ラプソディ・イン・ブルー」です。「シンフォニック・ジャズ(交響楽とジャズの融合)」の代名詞とも言うべき作品ですが、バーンスタインの指揮とピアノという定評のある演奏です。個人的にはもっと破綻寸前まで音楽にのめり込むような生き生きとした音楽ならもっと良かったのに、と思いましたが。
そして「ピアノ協奏曲ヘ調」もジャズ的な雰囲気が色濃く伝わってくる名曲です。クラシック・アレルギーの人にはもってこいではないでしょうか。第2楽章のメランコリックで甘いムード溢れる旋律とハーモニーは、ガーシュイン独特の世界を作り上げています。そして第3楽章の雄大な音楽で締めくくられている佳曲です。
2枚目の「キャットフィッシュ・ロウ(「ポーギーとベス」組曲)」や変奏曲「アイ・ガット・リズム」(ピアノとオーケストラのための)のような個性的で魅力的な音楽の缶詰のような作品がいいですね。ポピュラーなメロディが随所に現れますので、聞き飽きません。
ラストの《ソング・ブック》の5作品が好きです。特に「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」と「私の彼氏」がお気に入りです。アンドレ・プレヴィンのピアノがまたステキです。指揮者としてもそうですが、ジャズ・ピアノを弾かせれば、クラシック界で一番ですね。スウィング感をとても大切にしながら、メロディ・メイカーであるガーシュインのジャジーな世界を華麗に描いています。
ハイドンではエッティンガーがチェンバロも担当して弾き振りを披露している。
シャハムの奏する二楽章冒頭のへ調長音階がこの上なく美しい。
ブルッフはシャハムは10代の頃にシノポリと協演したCDがあるけれど
その時よりもパワフルに仕上がっているように感じた。
シャハム、エッティンガーは互いに鼓舞しあって熱く強い音楽を作り上げ
精神性と外面的な要素が噛み合って、聴く者を捉えて離さない演奏に仕上がっている。
ベートーヴェンはオーソドックスに真っ向勝負。
IPOのメンバーのソリストとしての力量にも感心させられた。
熱くなりたい人におすすめの一枚。
ちなみにDVDカバーのシャハムの綴りが
私の買ったものは「Shacham 」と誤植されていて
いつかプレミアが付くかな〜と期待している。(笑)
クラッシックに最近興味を持ち始めていますが、知らない曲はすぐ眠くなってしまうような段階です。このような状況でこのCDを購入し聞きましたが、ほとんど聞いたことがある名曲であり、とても興味深く聞くことができました。ちょっとした各曲のエピソードもかかれており、それを読むのも薀蓄がふえたような気分となりよかったと思います。
ギル・シャハムとシノーポリ指揮のフィルハーモニア管弦楽団によるメンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を収めたCDである。録音はメンデルスゾーンが1988年8月、チャイコフスキーが1991年12月と記されて居るので、シャハムが、17歳と20歳の時の録音である。 先ず、メンデルスゾーンが最高である。この録音に聴くシャハムのヴァイオリンは、明るさを抑えた重厚な音色で、17歳の若者がこんな音色のヴァイオリンを弾いたとは信じられない思ひである。私がこれまで聴いたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の中で、これは、最高の演奏の一つである。 その一方で、チャイコフスキーには少々疑問を感じた。と言ふのは、シャハムのヴァイオリンの音色が余りにも重厚なので、チャイコフスキーのこの曲に、この音色はそぐわないのではないか、と思ふからである。だが、このチャイコフスキーも、シャハムがまだ20歳の時の演奏なのである。(!)ヴァイオリニストには、例えばヒラリー・ハーンがそうだが、十代の時には十代でなければ弾けない様な音楽を奏でて居たヴァイオリニストが居る。しかし、シャハムは、十代の頃から、こんな重厚な演奏をするヴァイオリニストも居る事の例の様である。
(西岡昌紀・内科医)
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