門倉有希といえば、カラオケ好きな人であれば,誰でもすぐに「ノラ」と返答しようが、冒頭に収録されている「J」もそれに比肩しうる名曲となり得よう。デビュー10周年を迎え、円熟味の増した彼女の歌声が堪能できる1枚である。カバーアルバムであるので、原曲との比較が不可避であろうが、それぞれが、彼女の新作といっていいほど、有希ワールドが展開されている。演歌の不振が言われ始めて久しいが、このアルバムは演歌・ポップスといったジャンルの枠を超越した仕上がりとなっている。ヴォーカルの質を重視するリスナーであれば、期待を裏切られることはない。 6曲目の「景子」には、泣かされる。夢を追う売れないミュージシャンとの恋を描いているおり、運命(さだめ)により、結婚というかたちでは実のらなかったが、思いを抱きつづけるけなげな女の姿を、門倉の卓越した表現力で見事に描ききっている。ドラマのクライマックスで流れる挿入歌としても、よいのではないか。 長らく聞きつづけることになる名盤と確信した。
大学生向けに書かれたテキストだと思うが、非常によくまとまっている上に、分かりやすい。トータル・イングリッシュの名前の通り、英語のプレゼンテーションや、英語でのレポートの書き方、英文メールのルール集など、むしろこれからのビジネスマンに役立つ内容になっていると思う。説明も平易で、紙面で説明しきれないところは、インターネットの関連サイトが各項目で掲載されているので、すべての分野を網羅しつつ、十分な内容になっていると思う。ビジネス英語のダイジェスト版として、入門書として最適なのではないかと思う。今までありそうでなかった、好企画の英語本。
文法を一通り修めた後で、さらにひとつ上を目指すスペイン語専門課程の学生向けの本です。第1章から第4章はスペイン語の歴史をローマ時代のラテン語段階からフランコ以後の現代までをたどります。第5章はスペイン語という言語の特徴を音韻面や時制・アスペクト・法といった文法面から多角的に見ます。そして第6章と第7章では地方と海外のスペイン語の特徴を探っています。 あくまでスペイン語の学習者向けの専門書として書かれたものですから、一般のスペイン語会話学習者には用語も難しくレベルが高いでしょう。しかし、私自身は専門課程の学生ではありませんが、スペイン語の奥深さに触れることが出来た気がして興味深く読みました。またラテンアメリカのスペイン語の特徴については、やはり!一般会話学習書に比べて解説が細かく、勉強になりました。 なお、類書としてこの本の3年後に出版された「スペイン語の世界」(世界思想社刊・99年)があります。スペイン語の歴史、ラテンアメリカのスペイン語、スペイン語の方言、スペイン語の法などに関する章があり、専門課程の学生ではない人にはこの「スペイン語の世界」の本のほうがコンパクトかつ平易でとっつきやすいと思います。
ふと足を止め、覗いたレコード店(今はCDショップか…)で、中古のLPレコードを見つけた。「伊藤敏博 U」と言う題名で新品。思えば31年前…「さよなら模様」のシングル盤を買って繰り返し聴き、会社の女の子や同僚にカセットテープにダビングしてあげたっけ…。でもこの二枚目のアルバムは知らない曲ばかり…だが手にして会計していた。帰ってからレコードプレーヤーに乗せ真空管アンプのボリュームを上げて聴くと、自然に涙が止まらなくなった…佳曲ばかり、伊藤敏博の歌声の伸びやかで憂いを帯びた爽やかな高音が胸に突き刺さるのだ!歌が上手い(巧い)云々を超えて心の一番痛いところに響いては突き刺さるのだ!残念だがこのアルバムはCD化されていないみたいだ。そりゃレコードで聴いて感動しても、CD化されて感動するかどうかは分からない…でもこの隠れた名盤を埋もれさせてはならないと思った。直ぐにAmazonで検索し、ベストアルバムやアルバム「サヨナラ模様」をカートに入れたが、シングルカットされた「青春18」や「秋終記」はあっても「蒼のエール」や「手鏡」、「夕焼けの中に」、「風町ダンサー」、「うさぎ翔ぶ」、そして一番好きな「留衣」が見当たらない…残念だ。
80年代とは、音楽シーンがかなり極限まで多様化し、代表するようなアーティストも曲も無く実に多彩で、言えば何でもあり、音楽不遇の時代です。世間のニーズに応えることを大儀にして、音楽産業が一層商業意識を高め、個々の価値観さえも変えてしまう、そういう時代です。
ポプコンが長い歴史を閉ざしたのも、時代がポプコンをも呑み込んでしまうほど混沌としたために、色んな意味で成立しなくなってしまった。
このCDを聴くと、70'Sよりも、ポプコンのパワーが炸裂して、ずっとプロフェッショナルで完成度の高い曲と、素朴で荒削りな「うた」が聴けます。
これがポプコンだよなぁ、とふいに口をつきます。個人的には、HATO-PO-PPOとさそり座の収録が嬉しい。
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