蒙古襲来は、よく知られていますが、襲来を受けた島は悲惨な被害を受けていることを知ってしますか?
孫を殺された祖父が蒙古に奮い立つ理由は、「じっちゃん・・・」孫が祖父を呼んでいた言葉・・・。蒙古の襲来の凄まじさと祖父の心情に心打たれる作品。蒙古襲来の地方限定版の極地を知りたい方は必読の作品。
島原の御殿医を務める医者が、眉山崩落に遭遇する作品。平和な時代に突然襲いかかる自然の猛威。そこで被害を受けた怪我人を治療する医者達。日頃はヤブ医者などと言われながらも緊急時に大活躍する医者に御殿医の主人公は何を考え、何を会得するのか・・・。200年前の普賢岳の猛威と島原に住む人々を活写する災害史を知る上で必読の書。
第97回直木賞受賞
戦国時代が終わりを告げる頃。日本の海には二つの大きな勢力があった。
九州西北部を根城とする松浦党と瀬戸内海に覇を唱える村上水軍である。
対馬で育った笛太郎(父が海賊という出自を持つ)は、
朝鮮で活躍している海賊の通称"宣略将軍"(一度朝鮮王朝に降って官職をもらっている)が帰ってくるとの話を聞いた。
笛太郎は将軍に会い、その手下となった。とき同じくして、
薩摩からの船に乗っていた明国人雷三郎が捕まり、二人は揃って将軍の手下となった。
しかし二人は、村上水軍に捕まり、能島小金吾に預けられる。
その出会いがある運命の始まりだった。
商才はあるが、自分の船を持たない小金吾は、船を持ち、明国との商売を行うことを夢見ていた。
そこに飛び込んできたのが笛太郎と雷三郎だったのだ。そして…
目を見張るのは、松浦村上両海賊衆の生活や掟(おきて)、
海戦の調練などが克明に描写されていることだ。
当時の船の構造や操船方法、戦略、合戦場面、武器の数々も克明に描かれている。
日本の海洋冒険時代小説の嚆矢とも呼ぶべきものである。
当時誰もが歌って踊ったクックロビン音頭が帰ってくる。 いわゆるホモネタ爆発な作品なのだがキモさとか嫌らしさとかが 目立たないくらい世紀末的(もはや死語?)ギャグが満載なのである。 最近では話の腰を折るのはボボボーボボーボボが有名だが 元祖はやはりパタリロ殿下と思われますね。 原作を崩さないで描かれる脚本も素晴らしいと思う。 是非是非お祭り気分でご鑑賞下さいっ オープニングを原作者が歌っているのもサービス精神ゆえだろか?!
三浦按針ことウィリアム・アダムスの半生を描いた作品で、数ある白石一郎さんの海洋小説群の中でも読み応えのある力作です。特に帆船「リーフデ」による厳しい航海と臼杵への漂着を描いた序章「マゼラン海峡」は圧巻で、死の危機に直面した航海者たちが「航海することが必要だ。生きることは必要ではない」を合言葉に恐怖に立ち向かっていくさまには鬼気迫るものがあります。
日本に辿り着いたアダムスは徳川家康の寵愛を受け、やがてその家臣として三浦に領地と妻を得て暮らすようになります。家康の命を受けて彼が建造した西洋式帆船は家康の武威を高めましたが、当時の日本の船大工たちに西洋式の造船技術を伝授したという点において技術史的にも大きな意味を持っています。
しかし、「航海することが必要だ。生きることは必要ではない」という思いを胸に秘めて大海を渡ってきた航海者アダムスにとって、日本での生活が真に幸福なものであったのかどうかはわかりません。晩年になり望郷の念にかられたアダムスですが、その資金を稼ぐための東京(現在のベトナム北部)への航海でマラリアに罹り、平戸にてその生涯を終えます。享年56歳でした。
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