本書が、旧約、新約の聖書を読む上でも参考になるのは当然だが、更に、当地がイスラム圏に組み込まれる経緯、イスラム勢力による統治、十字軍、シオニズム、イスラエル成立、中東戦争等々、地図や年表、写真を挿入しながら大変コンパクトに纏められている。専門的に勉強する人を除けば、日本人が当地の複雑な歴史を理解するには、このシンプルさが有り難い。将来本書を手にエルサレム訪問したい。
素晴らしい歌唱力で発音がしっかり聴き取れます。
聖歌ですから言葉がはっきり聞き取れるのはとても大事なポイントだと思います。
天国の歌声を味わうことができると思います。
19世紀、スウェーデンの農村に、キリスト教原理主義が浸透し、古い信仰に支えられたこれまでの共同体が崩壊していきます。新しい信仰に救いを求め、神の都エルサレムを目指す者も、古い信仰と生まれ育った土地を愛してスウェーデンに残る者も、どちらも誠実であるがゆえに、親子、兄弟、恋人が決裂していきます。 主人公イングマルのその時々の決断と、その決断にいたるまでの苦悩を、もう少し丁寧に書いて欲しかった気はしますが、雪に覆われ、生きていくのが困難なスウェーデンと、たどり着いてみれば決して楽園ではなかった灼熱のエルサレムの自然、そして、それぞれの地で奇麗事ではない生を生きぬく人々が、圧倒的な美しさであらわれています。
中東はなじみが薄い土地だ。僕は、イスラエルもレバノンも行ったことがない。だから、イスラエルでパレスチナ人による自爆テロが発生し、イスラエル軍がアラファト議長の事務所を包囲したとの新聞記事を読んでも、土地勘がないので、一体何が起きているのか、何故そうなのかどうも理解は皮相的になる。 ところがこの本を読んで、イスラエル人・アラブ人の考え方はこうなのか、パレスチナ問題の背景はこうだったのか、と思わず膝を打ってしまった 著者は、現在、ニューヨーク・タイムズの有力コラムニスト。彼が特派員として約10年間ベイルートとイエルサレムで勤務した際の経験をふんだんに取り混ぜて、現地の人間の物の見方、考え方を論じてくれる。筆遣いがとても軽妙。色んなエピソードに触れているので、とても分かりやすく、面白い。分析に立体感がある。彼自身、ユダヤ系米国人であり、米国のユダヤ人の視点を紹介してくれるのも面白い。 この本が書かれたのは1980年代だが、少しも古さを感じない。この本を読んでから、僕は、中東のニュースについて少し皮膚感覚を持って理解できるようになった気がする。
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