面白いなあ。アッテンボロー家。 でもだからこそ、ダスティ君の「伊達と酔狂」行動が 生まれ、広められていったわけね。 「銀河英雄伝説」は登場人物のまことにリアルな 私生活、プライベートゾーンをしっかり描いている その気楽さがイイんですよね~~~。
これは、銀河系を舞台に、自由惑星同盟と銀河帝国の間で繰り広げられる宇宙戦争として展開する物語で、その中で、図らずも、同じ時代に生まれた、二人の英雄、不敗のヤン・ウエンリーと、常勝のラインハルト・フォン・ローエングラムというの宿命の対決を基軸として、銀河における壮絶な宇宙間戦争を壮大なスケールで描くスペースオペラと言える。
いがみ合った対立も、いつしか、ヤンも逝き、そして、ラインハルトも召される中で、長きにわたる対立軸を昇華して、宇宙の秩序と安寧を望む、全宇宙共通の大いなる意思に導かれるように、物語は、華々しくも、静かに幕を閉じる・・・。
稀有壮大な物語の終焉です。
あんなにも若さと才知を武器にして 宇宙を駆け抜けてきたラインハルトが ベッドに縛り付けられている姿をみるのは 正直哀しく痛々しい。 何もかもを「使い果たしてしまった」と いった感じです(TーT)。
一方、最後まで決して安らかでないエピソードも ふんだんにもりこまれており 田中作品らしさが垣間見れます。
まさに、伝説が終わり、歴史が始まる―――な巻。 皆様も銀河の歴史を見届けましょう。
なんといっても見所は ラインハルトの女神ともいうべき 「ブリュンヒルト」の勇姿を拝める ところでしょう。
まだまだ友と共に、上へ上へと目指す ことができた時代。美しく最新の“剣”を 手に入れ、希望を胸に戦いを挑んでいこうとする 若者たちの姿は本当に美しいですね。
外伝もこの章でラスト。 壮大な物語のさらなる幕開けを予感させ、泣けてしまうほど!
田中氏の原作がない「スタッフによるオリジナルストーリーの外伝」(だと認識していますが)の中では個人的に「叛乱者」に対するインパクトが強かったのですが、最近はこの「奪還者」も奥が深くて見事な内容だ、という思いになってきました。
銀英伝のような「艦隊対艦隊」(時には要塞対艦隊、要塞対要塞、という状況もありますが)の戦いを描く話では「一つの艦が持つ存在感」が希薄になってしまうので「艦長」という役割を物語として描くのは難しいと言えます。そうした中、この話では「艦長としてのラインハルトの活躍を描く」ために「一艦だけの敵陣隠密行動」という状況を設定し、「任務の難しさをどう克服するか」というところや「圧倒的多数の敵軍の包囲網を一艦でどう蹴散らすか」という問題を追っていくことで、見事に「艦長としてのラインハルトの魅力」を描ききっている感じがします(あと、キルヒアイスの存在感の大きさが伝わってくる状況設定の仕方も見事だと思います)。
さらに、若き頃のワーレン、レンネンカンプ、ミュラー、アイゼナッハのいぶし銀のような活躍(レンネンカンプの場合は「活躍」というほどではないですが)の見せ方もなかなかで、キャラクターの魅力を上手に描いているスタッフの力量は秀逸だな、という感じがしたものです。
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