何かこのラトルズの『4人もアイドル』や、彼等のCDを紹介する時は、必ず元ネタ(ビートルズ)との比較などを楽しむとよいみたいなものを目にしてしまう。ところが本作品は、実は後にビデオで発売される『ザ・コンプリート・ビートルズ』の元ネタともいえる構成なのだ! その点を考えると元ネタはビートルズだが、ビートルズ解散後(コンプリート・ビートルズはジョン他界後の作品だし)の作品に大きな影響を与えているのである。そういう何がなんだか分からない元ネタ(どっちが?)を考えて本作品を見ると、笑いだけではなく、エリック・アイドルをはじめとするモンティ・パイソンの構成力の凄まじさを感じずにはいられないのである。
「モンティパイソンはギャグ界のビートルズ!」なんて惹句が踊っていた当時、このテレビ放送版を見てまさか本当にビートルズをパロディにしちゃうとは、と、ビックリしたものでした。ま、しかし、もともとモンティパイソンにリンゴ・スターが唐突に顔を出してマイケル・ペイリンを殴って去ってしまうなんてエピソードもあったから(このマイケル・ペイリン、ラトルズではラトル・レーベルの支配人になって、ジョージにインタビューされてるのも何かの因縁?)、この両者が融合するまでの見えない伏線というのはゆっくり張り巡らされていたのかも知れません。ジョージがゲスト出演扱いになってますが、実はこのワイド版の方は映画制作に興味を持ち始めていた頃のジョージがエリック・アイドルの話を聞いて面白がり、カメオで出資とアドバイザーを担当しているらしく、この時のパイソン人脈とジョージの出会いが後にテリー・ギリアムの『バンデットQ』や『ジャバー・ウォーキー』、更にはパイソンの『ライフ・オブ・ブライアン』を生み出すことになったのだとか。このDVD、欲を言えばテレビ放映版と同じく日本語吹替えをつけてほしかったです。と、いうのも、ダーク役の広川太一郎は『ヘルプ』のテレビ版でヘンな日本語解説をつけていたし、ナスティ役の声優さんは同じ『ヘルプ』でリンゴの声を当てていたので。まあ、でも当時カセットレコーダーをテレビに当ててテープが擦り切れるまでリプレイしていた大好きな作品がDVD化されるのですから、それだけでも十分幸せなんですが。
別の人が書いているので細かい事は書きませんが。 ビートルズの全曲を一応聴いている、という程度の中級ファン以上の方なら、すべての曲の原曲が分かるだろうし、楽しめましょう。当方、初めて聴いた時には腹を抱えて笑った曲もたくさんありました。 レコードには収録されず映画の「ルーフ・トップ・セッション」のシーンでしか聴けなかった名曲 "Get Up And Go" が入っているのが嬉しいけれど、レコードの冒頭に入っていたSEやらカウントがなくなり、ジャケットが変わり、比較的面白みに欠ける曲まで全て収録し、「作品」としてのトータル性が薄くなったのが残念ですけど。 まあ、まだこのアルバムを聴いていないビートルズ・ファンがうらやましい、そんな作品ですね。
一言で言えばビートルズのパロディー、確かにそうだろう。 ただし、ある曲のコードに違うメロディーを加えたり、違う曲の一節を持ってきたり、と手法はかなり高度。ピギー・イン・ザ・ミドルにいたっては本家が高音からスタートしてサビまであまり抑揚感が無い曲を低めの音からスタートしてメロディーに変化を付けている。 本家が作り直ししたらこうなるのでは?と、思わせるほどのリスペクトに基づいた作り込みがある。 また、レコーディングにも力が入っていて、各種エフェクトのかけ方などよく研究されている。これは、言い換えるなら有名シェフの秘伝のレシピのスパイスの配合を解読したようなもの。オタク的なまでよく研究されている。 繰り返すが、本家に対する熱狂的なリスペクトがそこにはある。
私はビートルズのどの曲より、ラットルズのダブルバック・アレイという曲が好きです。 ほっぺた緩むでしょ?
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