2枚組32曲で3000円とリーズナブル。でも初音源が新曲「そばにいるから」と「CMソングメドレー」だけなのは、コアなファンとしては寂しいです。この2曲のためにわざわざ買うのもなあとは思ったけど、うららかさん直筆イラストのジャケットだし、全曲リマスタリングだっていうし。しょうがない買っちゃうかと。
もちろんつじあやの入門アルバムとしてはこれ以上ないくらい素敵です。特にスピッツ・トリビュート『一期一会』から収録の「猫になりたい」は必聴!全編アルファ波出まくりのうららかボイスに癒されてください。
舞台の小道具として購入しました。 いい音しますし、押したときの快感がいいw
国際日本文化研究センターの創設から現在まで、その25年の歴史を振り返った書である。
創設までのいきさつはやや詳しく、全体の半分近くの頁を割いている。 官僚との折衝は苦労したようで、「官僚と学者の間には、暗くて深い河がある」(72頁)という言葉は、 当事者の言いつくせないさまざまな苦労がしのばれ、印象深い。
また、他の学者から「学会において、ほとんど学問的支持を得ていない特異な主張を持つ 個人の研究者」が創設計画を推進していると誹謗されたこともあったそうだ(76頁)。
ただ、それだけ苦労して創設されたがゆえに、当初は非常に活気があったようだ。 初期のころの研究者たちは、夜通し朝まで議論することが珍しくなかったというし(240〜1頁)、 公共スペースである「コモンルーム」も相当にぎやかだった(124〜7頁)。 本書の中盤は、日文研の初期がいかに活気に満ちたものであったか、という記述で満ちている。
その一方、日文研の現状については、「時を経る中で鈍磨し、情熱も薄れ、『そこまでやる必要はない』と いった気分になりつつある」(162頁)とか、「ありていに言って、いま学術の世界では、日本文化の探究、 あるいは新しい日本論の構築といったことが盛んになっているわけではない」(218頁)とか、 さびしい表現が散見される。
第5代所長の猪木武徳氏が、マンガやアニメの研究に対して不満タラタラなのも(259、268頁)、 日文研の現状を垣間見せている。現状はやや停滞・低迷気味のようで、残念である。
しかし、希有な研究機関、研究サポート機関であることに変わりはなく、もっともっと優秀な人材を 広く求めて、今後も活躍してもらいたい。
日文研の原点は、梅原猛氏が無理解な外国人に対して言い放った、次の言葉ではないかと評者は思った。
「日本がなぜに短期間に、近代化に成功し、西欧なみの、あるいは西欧以上の経済力をもつことが 出来たのか。そこには、文化的伝統が何らかの原因をなしているにちがいないと思われるが、 それは何か」(84頁)
日文研には、ぜひこの問題を徹底的に究明してもらいたい。また、そうした問題関心を持つ研究者を 一人でも多く発掘してサポートしてもらいたい。
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