THE SPICE OF LIFE IN CONCERT [DVD]
1887年5月22日、中野サンプラザで行われたライブを収録したものです。参加メンバーはご存知、ビル・ブラフォード(ドラム)とジェフ・バーリン(ベース)という傑作「The Spice Of Life」と同メンバー。従来、LDで流通していましたがハードを所有していなかった私のような人間にとっては待望のDVD化です。
なんと言っても、いままで音でしか味わうことができなかったこの超絶トリオの「動く姿」を目の当たりにできることは望外の幸せです。リアルタイムでスタジオ盤を聴いたときに受けた衝撃を、今度はビジュアルで再確認することで20年近く前に受けた感動を再び味わっています。確かにスタジオ盤と違って、ミストーンやエフェクターの不備など、けっこう「あら」が見えてきたりしますが、それもライブならではの醍醐味。むしろワイルドな一面を垣間見ることができて、改めて渡辺香津美の凄さを再認識することができます。渡辺氏はけっこう緊張していますね。
なお、この国内正規盤を違法コピーした物が出回っていますが(中国製)、こちらはボーナス映像として南国のビジュアル映像が付いています(笑)。そしてバックに何故だかT-SQUAREが流れるという奇怪な作品に仕上がっています(笑)。
ユニオン・ツアー1991 [DVD]
1991年の欧米union tourの最終日を収録したDVD。メンバーはJon Anderson(vo)、Bill Bruford(ds)、Steve Howe(g)、Tony Kaye(key)、Trevor Rabin(g)、Chris Squire(b)、Rick Wakeman(key)、Alan White(ds)の8人である。なぜ今頃、という気持ちもありながら、しかし、You-tubeでBillとAlanのドラム・バトルを見ておもしろかったので、これも収録されているならと思い購入した。
以前WOWWOWで放送されたunion tourで使用していた円形ステージではなく、通常のステージ。左にAlan、Tony、Trevor、右にBill、Rick、Steve、そして中央にChirsとJonという布陣。何かどこかでみたような...(笑、でも年代的にはこちらがオリジナル。)
たしかにYesなのだが、これはどうなんだろう...JonとChris、Trevor、Rickは楽しそうだが、SteveとBill、Tony、Alanはとにかく仕事をこなしてるという感じ。Soloもあるが(なんともっとも楽しみにしていたドラム・バトルはオミット!他レビューにもしっかり書いてあった!!)かなりラフな感じで、いつも強気に押し切るTrevorはまだしも、Rickはボロボロという感じ。ABWHライブでの切れの良さはない。ラストのラウンドアバウトの最後のキメにBillは参加せず、ドラムセットから出てきてしまう。添付されたツアー・スケジュールを見ると、本当に大変そうでほとんど毎日コンサートが組まれており、4ヶ月続いた果ての最後の最後の日のものなので、おそらく体力的にも精神的にも相当参っているのだろうと推察するが、そこはプロなのだから、しかも収録されているのだから、何とかそのようにやってほしいとも感じてしまうのは自分だけだろうか...これも放射能の影響か?
ライナー・ノーツにもメンバー達の当時のころに対する生の声が記載されており、まさしくそれが反映されているライブなのだなぁと思い知らされた。当時のBillにインタビューしたRockin'onの記事を思い出した。「音楽的な意味じゃ、もはや僕には何も提供出来ないって事さ。しかも、あのイエスはレコード会社に内政干渉されてるなんてもんじゃ済まされないんだよ。おまけに8人も居て、僕は一介のドラマーに過ぎないわけだからなぁ(笑)。みんなの指図が来るまで僕は黙っていよう、そう心がけてます(笑)」