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うちにかえろう~Free Flowers~
少し前(と言っても約3年)に、NHKのCFに使われていた曲でした。 プロジェクトXにかぶせたCFだったので、もしや「中島 みゆき」さんの新曲か?と思ってCDを探した記憶があります。
ハスキーで声量もある、実力もありそうなのに、新作が出てこないですね、ちょっと気になります。

 

パンドラの匣 [DVD]
主人公・利助=ひばりが綴る手紙がストーリーテリング役なせいか、物語の進み具合が起伏に欠けて盛り上がりを見せない。「ロケットマン」こと「ふかわりょう」こと「フニオチ太郎」が、文句たらたらだったに違いない、どうにも腑に落ちない話だった。

魅力を挙げるならば、看護婦「やっとるか」⇒患者「やっとるぞ」⇒看護婦「頑張れよ」⇒患者「よしきた」…という日常的にあちこちで交わされる合言葉や、塾長ミッキー・カーチスの塾内放送を通じて流される訓話が楽しい。“新しい男”になると意気込みながら、新しさの定義に頭を悩ます軟弱なインテリ「ひばり」ならではのボケ味などは、かなり自虐的なユーモアが利いていて面白かった。

川上未映子のキャスティングがこの映画の最大の見どころだ。この人の大阪弁は聞いてるだけで気持ちいい。映画初出演とは思えない達者な演技、憂いを含んだ表情やニュアンスに富んだセリフ回しなど手慣れたものだ。逆に、金歯がチャームポイントの「マア坊」こと仲里依紗は、彼女の小悪魔的な魅力がこの物語には欠かせないことは分かるが、終戦当時にこんな現代的でふくよかな“おなご”はおらへんて。私なら吉高由里子を推します。

菊地成孔は、『パビリオン山椒魚』に比べれば、彼の音楽が映画に占める割合は数段アップしていて、やれやれ。弦楽曲と彼のヴォーカルを主としたメロディメイクとアレンジが、この映画をそこそこの文芸作品へと導いているのは間違いない。

驚いたのは、全編アフレコであること。小栗康平監督の『死の棘』をめざしたのだろうか。しかし、アフレコの利点を大いに生かして、多重録音や声のパッチワークによってセリフで遊んでいる。これは、鈴木清順に0.1歩ほど近づいたクリエイティブとして評価できるんじゃないかと思った。

 

ヘヴン
いじめ問題、善悪の論理の齟齬・・・。
わたしには本書は、まったく、そこが主眼とは読めませんでした。
確かに「百瀬と主人公の善悪対決対話」、「公園でのコジマの昇天」は
映画にするなら白眉、名場面でしょう。

しかし、私が本書に心から胸を打たれたのは、
最後の最後のたった4行の衝撃です。

ああ、そうだったのか。
セリーヌの引用も、そういう意味だったのか。
いかに奥行きのある世界を得ても、それは「ただ美しいだけの世界」で、
それをわかちあいたい「生涯の友を喪失した悲しみ」に変わりはない。
3Dの視界を得ても、それは眼をつぶるのと大差ないのだ。
そのように私には理解が、はた、と落ちてきました。誤読かもしれません。

陳腐な言葉ですがこれは稀有な「友情」の物語だと思います。
友情の芽生え、発展、変化、破綻、別れ・・・
レイモンド・チャンドラーの不朽の名作「長いお別れ」
の男と女版だと思います。
ごつい、哀しみを描いた名作だと思います。
例えば、ラノベ「1Q84」の天吾と青豆の関係のうそ臭さに比べ、
これは本格派です。

ちなみに、コジマが「ヘヴン」と名づけたシャガールの
絵のタイトルは「誕生日」。ニューヨーク近代美術館所蔵。

 

わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)
 表題作「わたくし率 イン 歯―、または世界」。歯々。母。はは。ははっ。
 壊れそうな言葉を目で追う自分、壊れそうなのは言葉なのか、あるいは自分なのか? 増殖していく、分裂していく、薄まっていく、……、そもそもが、空っぽだった? あるいは、……と思わされる、反復されるモティーフ。

(前略)三年子はらっきょうの名前でもあるのです。三年かけて作られて、けっきょく芯も何もなくて奥歯にかかれば一回で完全に噛み砕かれてまう、そんならっきょうの三年子でもあるんです。

大きな口の中の舌のうえにもうひとつ口が現れます。そしてその口の中にもう一枚の小さな舌。それならばあの治療室をのせているさらに大きな舌があるのかもしれないですねえ。

振り返れば一歩ごとのわたしが列になってつづいている、並んでる、過ぎていった無数の今がゆるい曲線の軌跡になって、おお、わたしは無数のわたしの先頭となって走りつづけ青木の後を追うようにして夜の中を前進します、前進します、

人間が、一人称が、何でできてるかゆうてみい、一人称なあ、あんたらなにげに使うてるけどなこれはどえらいもんなんや、おっとろしいほど終りがのうて孤独すぎるもんなんや、これが私、と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私!! これ死ぬまでいいつづけても終りがないんや、私の終りには着かんのや、ぜんぶが入ってぜんぶが裏返ってるようなそれくらい恐ろしいもんなんや私っていうもんは考えたら考えるだけだだ漏れになっていくもんなんや私ってもんはな、

 併録作「感じる専門家 採用試験」。母胎回帰への願望が生み出した世界、ということなのだろうか? 

 二作とも、自分には、おどろき、の衝撃波が強すぎて、頭が働かない。頭が働かないのは、生まれつきだろ、と自分に突っ込みを入れて、痛む歯を押さえながら、レヴューに、幕。

 

そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります (講談社文庫)
ブログという性質上、仕方のないことですが、ブログの原タイトル「純粋悲性批判」という言葉の印象とは離れた、とても日常的な日記だと感じました。文体が装飾過多で読みにくい割には、内容が普通…?ブログでは人に不快感を与えそうなことは書けないし、そもそも「日記」なので、私の期待の仕方に問題があったのかもしれません。共感できる部分もあります(それで十分なのかもしれません)が、深い洞察にまでは至らず…最後まで読み終わらなかったです。私がもっとのんびりした時間・精神状態の時に読めば、印象が違ったのかなぁ・・・

 

川上未映子 第138回芥川賞インタビュー



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川上未映子 情報


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