ウォール街 (特別編) [DVD]
マイケルダグラス扮するゲッコーに憧れてウォール街に飛び込んだ若者がどれ程の数いるのかわからない程影響を与えた作品。
何かのインタビューで
「いまだに金融マンから、ゲッコーに憧れてこの世界に入ったんだ、って声を掛けられる」と言っていました。
金融市場というややこしい世界の話を、生き方にまで昇華させた名作。
「創造はしない。所有するだけだ」というゲッコーと「ものを作れ」というマーティンシーン演じる父親の対比が素晴らしい。どちらの言い分も真実でどちらの生き方も魅力的だ。
マーティンシーンがこの映画のように息子に語りかけていたらあんなぶっ飛んだ息子にならなかったろうに、と思いながら観てしまうが、この映画の親子の描きかたは優しくもあり厳しくもあり素敵だ。
ロシア系のマイケルダグラスなので余計に冷酷さが顔で表現出来てていい。
ここまで金の匂いを黙ってても出せる人もいないでしょう。
彼の映画と言ってもいいほどだ。
面白い。
Random Walk Down Wall Street: The Time-Tested Strategy for Successful Investing
この本を初めて知ったのはもう20年以上前のことだろうか。それもそのはずで、第1版が出版されたのが1973年だと言う。
改めて目にしたのは去年のことだった。初めはおもしろかったら良いな、くらいの気持ちでは日本語で読んでいたのだが、余りにも鋭い内容に圧倒されて、それなら英語で挑戦してみよう、と途中で原書に変更した、と言うのが真実である。
John Bogle、Charles Ellis、そしてこのBurton Malkiel、と言ったらアメリカだけでなく、世界に冠たるインデクス・ファンドの創始者たち、と言うことになるだろう。今やキャピタル、フィデリティ、と並ぶ投資信託の大手となったVanguardだが、1976年にこの会社が始めた‘S&P500のインデクス・ファンド’は「インデクスと同じ成績を狙うなんてプロフェッショナルの仕事じゃない」とフィデリティから揶揄されたらしい。しかし現在ではこの‘S&P500のインデクス・ファンド’は全体で11兆円を超える世界最大の投資信託の一つとなった。
この本を読むまではテクニカル・アナリストを軽蔑していたのだが、ファンダメンタル・アナリストも大したことがないのだな、と言う事を認識させられた。そう、記憶に新しいハイテク・バブルの時にはファンダメンタル・アナリストが跳梁跋扈したのだった。そして彼らがサルと余り変わらない能力の持ち主だ、と言う事が最後に証明されたのだった。新聞やTVに出ているエコノミストやアナリストの予想がどのくらい当てにならないか、改めて列挙するまでもないだろう。そのうえ、どの株が上がるか的中させてみろ、と言われたら殆どの連中が逃げ出すことになるのではないか。
この本は言うまでもなく、金融業界で働く人間にとっても、またこれから投資を始めよう、と言う人にとっても有益な本だろう。アメリカ合衆国、と言う唯一のスーパーパワーが自分たちの失敗を中国や中東の資金を調達しないと穴埋めできなくなっている、と言う現実に直面すると、アメリカやヨーロッパ、日本等の先進国の株式しか組み入れていない投資信託よりも、新興国をも含めた世界中の株式をトラックする安価なインデクス・ファンドが誕生しないかな、と期待しているのは私だけだろうか……。
Ost: Wall Street
オリヴァー・ストーン監督『ウォール・ストリート』のサントラ。
スコア&歌曲の、全12曲。
映画本編では30曲ちかい挿入歌が使われていて
ガヤガヤとした印象ですが、
このサントラではブライアン・イーノの楽曲を中心に
いい意味で「こじんまり」とした構成になっていて、
マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーの人生観が垣間見える
バランスのとれたアルバムになっています。
収録曲名とアーティストは以下のとおりです。
1.PRISON - Claig Armstrong(スコア)
2.HOME - Brian Eno & David Byrne
3.LIFE IS LONG - Brian Eno & David Byrne
4.SLEEPING UP - David Byrne
5.STRANGE OVERTONES -Brian Eno & David Byrne
6.MONEY - Claig Armstrong(スコア)
7.MY BIG NURSE - Brian Eno & David Byrne
8.HELICOPTER REVEAL - Claig Armstrong(スコア)
9.TINY APOCALYPSE - David Byrne
10.LAZY - David Byrne & Patrick Dillett
11.I FEEL MY STUFF - Brian Eno & David Byrne
12.THIS MUST BE THE PLACE (NA'VE MELODY) - Talking Heads
ウォール街 [Blu-ray]
続編が公開されたようで、予習目的?で観ました。
「欲は善だ」と説き、発展の促進と利益の分配を株主に訴えるゲッコー。
マイケルダグラスはギロリ、と眼光鋭くエネルギッシュでスマート、
如何にも「ボス」のオーラを漂わせるカリスマ、演説もおもわず熱くさせます。
これはスピーチのレッスンを付けて何度も特訓したそうです。
ただ別のパートではバドに、自分達が世の中を操作しているかのような高慢な
思想を語ったりします。法を犯していること以外何一つ間違っていないようにも
思えるのですが、利益だけを追求したやり方には非道徳的な面もあります。
勝つことに執着するバドもゲッコーも別の角度から敗北してしまいます。
欲は善だが、欲をかき過ぎると身を滅ぼすというメッセージかもしれません。
綺麗事ではなく恨みが集まるといずれ己に返ってくるというか・・
ドキュメンタリーは監督とマイケルダグラス、シーン親子がたっぷり語る47分。
気が利いてるユーモアたっぷりの裏話に何度も笑い頷きました。
演説の裏側やキャストとの闘い、マニアでなくても大変楽しめました。
世紀の相場師ジェシー・リバモア (海外シリーズ)
「伝説の相場師リバモア」の伝記です。
お金は人を狂わせ、金で幸せな生活を送れても心の幸福を得られるとは限らないという普遍的なメッセージが根底にある。独占禁酒法や世界恐慌、山高帽子に仕立ての良いスーツを着てウォール街を歩く男たちといった時代背景もこの書のストーリーを盛り上げてくれる。
情念と恐怖と欲望の市場で自分をいかに冷静に保ち、忍耐と信念を貫く姿には脱帽である。
金融に興味のない人にも面白く読める1冊です。
私も「映画化」の話は賛成です