越後のミケランジェロ石川雲蝶(永林寺編)【UCT】
![]() ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 |
I'm not a great fan of Michelangeli (I often find his style of pianism too cold and clinical particularly in solo piano repertoire), but I must admit, this EMI stereo recording of Ravel's G major Concerto is truly in the class of its own and has never been surpassed yet as far as I've known.
In the outer movements, the pianist pushes the technical boundary to the limit and the dazzling tone he produces penetrates even the thickest of orchestral texture. It is astounding, he manages to articulate every note on the score even in the boldest sweep of the most difficult passages. In comparison, the modern performances by Zimerman, Yundi Li, Thibaudet, Roge, Lortie and etc sound too tame and spineless. And the uncompromising tonal refinement and the noble beauty, in the slow movement, transcend all the existing recorded performances. Time seems to stand still in the sheer sublimity of his playing. The performance of Rachmaninov's 4th concerto is no less impressive. Again the outer movements are played with amazing clarity and totally gripping. In the slow movement, he captures the full-blooded Romanticism and poetry of the music like no other pianists. I've come to love this concerto as much as 2nd and 3rd, thanks to this revelatory account by Michelangeli. |
![]() 【HQCD】ラヴェル&ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 |
ラヴェルのピアノ協奏曲の数ある録音の中の白眉と言えます。LP時代からいくつも聴いてきましたし、CD時代になってからも、名演と言われる録音は数々ありますが、この1957年録音のミケランジェリ盤に勝る演奏に出会っていません。特に第2楽章の、微妙なキータッチとペダリングによる見事な抒情性は、ミケランジェリという不世出のピアニストの表現力のすごさを余すところなく伝えてくれます。これまでのCDに比べ、HQCD盤では一層細部の見通しが良くなり、テープヒスが気にならなくなりました。 |
![]() 愛のめぐりあい【字幕版】 [VHS] |
簡単に説明します。
1話、美しい女性教師と寝なかった少年は、一生彼女を愛し続ける。 2話、「私は、父を12回刺した。」「今夜会いたい」と言って、一夜を共にするソフィー・マルソー。 3話、夫に浮気されたフャニー・アルダン。妻に逃げられたジャン・レノが巡り合う。 4話、教会へ行く途中のイレーヌ・ジャコブに恋してしまった少年。しかし、明日、彼女は修道女になるのだった。 全部で110分なので、一話一話そんなに長くはありません。しかし、内容が濃く、素晴らしい愛のオムニバスを味わえる名作だと思います。 |
![]() 夜 [DVD] |
白黒・スタンダードサイズのこの映画は1961年の劇場公開作品ということですが、古さを感じさせません。それはなぜかというと、一番目にテーマが「愛の不毛」という普遍的なテーマを扱っているからです。二番目にジャンヌ・モロー(美女)、マルチェロ・マストロヤンニ(美男)という色褪せない名優を夫婦役に配置しているということ。金持ちのお嬢役にはなんとモニカ・ヴィッティ(美女)です。三番目に小道具や場面設定が我々が今でも目にするものがほとんどであること、例えば大都市郊外のかなりワイルドな雰囲気はミケランジェロ・アントニオーニ監督でなければ描けなかったのではないか。そう思います。
お勧めするのはそればかりではありません。サウンドトラックがジャズであるということです。ジョルジオ・ガスリーニというイタリアンジャズ界の大物ピアニストが青二才時代(当時)に自分のバンドを率いて作曲及び出演しています。サキソフォンをフューチャーしてアンニュイな個性的演奏を聴かます。サントラ盤が廃盤で中古品が高額な現在、本作品をお勧めします。 |
![]() 欲望 [DVD] |
いかにも時代を感じさせる勿体ぶったカメラワーク・不条理などと逃げを打っただけの意味不明な展開・大仰で意味ありげ、だが実は奇を衒っただけの大したことの無い台詞廻し・ラストの意味のないスローモーションなど全体を通して退屈なだけの、当時としては難解、だったのかも知れんが今観ると意図がバレバレなヨーロッパ風デカダンの雰囲気に満ちた作風は、観念として頭でっかちなだけで商業作品としても芸術作品としても歓迎する訳にはいかない。
唯一の取柄と見どころは劇中"Stroll on"(実は"Train kept a- rollin'"の改作)を演奏する若きヤードバーズの姿であり、ジェフ・ベックとジミー・ペイジのツイン・リードによるプレイは他では拝むことはできない。本当はザ・フーを出演させたかったそうだが叶わず、やむなくヤードバーズに声が掛ったそうで、いやいやギターを壊す「演技」をするジェフ・ベックの姿をピート・タウンゼントと重ね合わせてみる、のも一興である(ピートなら喜んでギター壊しをやった、だろうが)。他は素っ飛ばしてジェフとジミーのビデオ・クリップを見るつもりで楽しみましょう。値段も安いし。 |
![]() 美しき姫君 発見されたダ・ヴィンチの真作 |
巨匠の失われた作品、再発見の説得力。
本書で描かれているのは主に2つのこと。 ニューヨークの画廊で売られた羊皮紙の作品を科学鑑定にかけること。 そしてもう一つが、ダヴィンチ作という説の有効性を来歴や特徴などから語る事だ。 前者は非常に面白い。 レオナルドの最高傑作、モナリザの科学鑑定もしたフランスの調査チームの鑑定結果は限りなくレオナルド作を指し示している。 最大の論拠がダヴィンチの指紋が発見されている事だ。しかし、聖ヒエロニムスから発見された指紋との一致が、即証拠となりえるのだろうか。 聖ヒエロニムスも来歴ははっきりしておらず、疑い様のない画風からダヴィンチ作とされている。 指紋から確定したのではないのだ。 パスポートの指紋認証が中国人に単価100円で突破されてしまう時代。指紋は確定的な証拠になるのだろうか? そして、この作品の来歴もまったくの不詳。 それどころか、これを売りに出した人物(女性)の素性さえはっきりしていないのだという。 あやしくはないか? また、画題や技法の解析ではダヴィンチの同時代人がこういう形態の作品を残しており、その人物とダヴィンチの交流を暴いている。 が、これも証拠としてはちょっと弱い。強引なのだ。 個人的には、100%のダヴィンチ!とはいえないと思うのだが、そこは読者おのおのの判断に任せる。 ミステリー本みたいなものなのに、一読者が判じるのも興ざめでしょう。 それはさておき一番興味深い点は、この作品が羊皮紙に描かれており、さらにはこれが羊皮紙本からナイフで切り取られた一葉であることが左端の製本の糸穴からわかっていることだ。 書籍自体に来歴を示す具体的な証拠があるなら切り取る必要はないのでは?というのがこの絵の真贋の答えだと思うのだが。 本の来歴がわかれば、証拠の補強になることは確実だからだ。 本物のダヴィンチの掘り出し物。そんなものが本当だったらいいな、とは思うのですが。 科学鑑定に興味のある人は、買って損のない一冊です。 |
![]() ミケランジェロの生涯 (岩波文庫 赤 556-3) |
この本に描かれているミケランジェロ像は、必ずしも「立派な人」ではありません。 それでよいのだと思います。 芸術というのは、ある人間が現実に適応できなかったときに生じる欲求不満に対する代償行為であるという側面を多かれ少なかれ持っているわけで、この本がミケランジェロの弱さに触れることが、どうして彼の価値を下げることになるでしょうか、いや、なりません(反語)。 |
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