kubota saki
![]() Recreation(DVD付) |
懐かしくも新しいメロディーラインが、心を素直に打ちます。
だから難しいことを考えずに、聞けば良いと。 だってこれは…『Recreation(レクリエーション)』なんだから。 Janne Da Arcを求め過ぎるのではなく、これをそのまま愉しめば良いと思います。 アーティストとしてのコダワリを持ちすぎていない、彼のこの潔さと、オリジナルに対しての敬意を感じて、とても素敵に思えたカバーアルバムです。 |
![]() DREAM PRICE 1000 久保田早紀 異邦人 |
久保田早紀さんの曲では、「異邦人」しか知りませんでした。
「異邦人」は久しぶりに聴いても、やっぱりすばらしい曲です。 あの個性的なイントロを聴くだけで、昔にタイムスリップするような感じがします。 異国情緒たっぷりのこの曲は、だれが聴いてもいいと思うでしょう。 このCDに入っている他の曲は、知らない曲ばかりでしたが、どれもいい曲でしたよ。 でもなんといっても、「異邦人」は人を惹きつける力のある飛びぬけて天才的な曲ですね。 |
![]() 異邦人たち [DVD] |
ぱっと見おいしい形。
でも大切にしていたであろう、彼らの台詞の一つ一つが 耽美的過ぎてイマイチ理解しがたいし、聞いていて恥ずかしい。 隔離される島の雰囲気は個人的に好きなのだが、 60年代、70年代の廃退的な気分がよくわからないし、 もっと言えば不気味。 ある人はやたらと怒りすぎているし、 ある人はやたらラリっているし、 ある人はやたらと許しすぎているし、 ある人はやたらとあきらめすぎている。 キャラクター設定を複雑化しようしているのはわかるが、 結局は単純な印象しか残らない。 なんか思考するのを止めた長期旅行者に あんな人たちいるような気がする。 |
![]() 野獣たちの掟 [DVD] |
佳作である。
指名手配中のティ・ロンは銀行強盗に入るが、銃を出す前に、後から別の二人組の銀行強盗(一人は若き日のトニー・レオン)が来てしまう。実際の銀行立て篭もり事件に基づくアル・パチーノ主演「狼たちの午後」がおそらく元ネタの作品だが、ここは決定的に違う。 素人のような若者二人をティ・ロンは難なく拘束。主導権を握った彼は警察と交渉をおこなう。警察が包囲する銀行の内部では、ティ・ロン、二人組、人質の客の間に奇妙な連帯感が生まれる。ストックホルム症候群というやつである。ティ・ロンと銀行の客が一緒になって二人組に親身に説教するのが笑える。 後半、湿った方向へ話はどんどん流れるが、笑える部分は最後まで残しておいてほしかった。コメディ映画として作ってもいい題材だったかもしれない。 |
![]() 異邦人 (新潮文庫) |
1940年に著された古典。
全てのものには意味がないとし、瞬間に感じる欲望や感情を真理とする若者(ムルソー)のお話。 「人間の不条理」を描き、当時はセンセーショナルな内容であった。 キリスト教と不条理ムルソーとの対決が中心となり物語は進む。 19世紀末にニーチェにより神が殺されたが、その影響を色濃く残している。 ムルソーの言葉で引っかかったのが、 「健康なひとは誰でも、多少とも、愛する者の死を期待するものだ。」P68 愛するが故にその死までを想像してしまう、 想像し、意識に上がった瞬間に願望してることと等しい。 と解釈したのだが、どうだろうか? |
![]() 藤田嗣治「異邦人」の生涯 (講談社文庫) |
自分と異なる風貌や言動に対して拒絶したくなる気持ちは誰にでもあります。民族や地域と関係なしに人間がもつ本能だと思う。でも日本は寛容度がちょっと低いかもしれない。
藤田嗣治の変わった風貌や言動はかなりの抵抗感を与えたに違いない。現代でさえ、東京以外の町を彼が歩いていたら振り返ってしまうかもしれない。藤田夫人の証言に基づいた伝記なので、多少とも良いほうにバイアスがかかっているでしょう(感情移入のない伝記はないですが)。でも、死ぬまで作品制作に没頭した画家としての生き様のみで十分じゃないかと思うのです。他に何を要求すべきだったのでしょうか? 多くのフランス人形が取り囲むベッド、和風のアトリエ、晩年に多く書かれた生を感じない子供の絵。彼の寂しさが伝わってきます。本書の最後に出てくる遺品に関するエピソードもなかなか深い読後感を残します(ちょっとできすぎですが)。乳白色の肌でパリの花形画家に躍り出た時代、戦中の日本での時代、その後のパリでの生活、そして晩年。この本を読んでから絵をみると、また違った感動が押し寄せてきます。 |
![]() アルベール・カミュ (1) カリギュラ (ハヤカワ演劇文庫 18) |
まちがいなく日本の演劇史に残るであろう、2007年の傑作舞台「カリギュラ」
(作=カミュ、演出=蜷川幸雄、主演=小栗旬)の原作が、ようやく出ました。 これは紹介文にあるとおり、カミュ自ら『異邦人』等とあわせて「不条理の三部作」 と名づけたという、いわくつきの作品。 そして翻訳は、舞台台本の翻訳を担当した岩切正一郎さんーー とくれば、もう読むしかないでしょう。 みずから「神」を演じることで世の不条理に戦いを挑む、美しき残虐王カリギュラ。 カリギュラに対するクーデターの首謀者となる、知的でクールな文人貴族ケレア。 父を殺したカリギュラを憎みきれず苦悩する、ピュアな少年詩人シピオン。 自分を奴隷の身分から解放してくれたカリギュラを慕う、野性味あふれる忠臣エリコン。 そして、時に母のようにカリギュラを諭し支える、年上の恋人セゾニア。 カリギュラの残虐非道ぶりにただ取り乱し、保身に奔るばかりの側近たちのなかで、 この4人だけが、カリギュラの残忍さが「仮面」にすぎないこと、 そして仮面の下にある彼の素顔を見ぬいています。 そしてそれぞれのやり方で、彼らはカリギュラを理解し、愛するのです。 気になる訳文は、一部変更が見られるものの、ほぼ舞台と同じ。 (DVD版に照らしてみましたが、活字で読んでも違和感のないように 調えられた個所が、多少ある程度です。) 新訳ブームの火つけ役となった某文庫のキャッチフレーズではないですが、 登場人物たちが「いま、息をしていることば」で語る、みずみずしい翻訳です。 岩切さんの「訳者あとがき」もステキです。舞台のリハーサルの様子も紹介されていて、 小栗君たちとのやりとりを通じて、キャストの皆さんの熱意が伝わってきます。 |
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