高いなぁ〜、と購入をためらっている写真を愛するあなた。
発売時の何倍もの値段になることを考えると、これは買いだと思う。
さて、この本、寝る前の慰みになんぞハナっからならない。鑑賞するのであればそれなりに体調を整えてみることが必要だ。
まず、この本をエイ、ヤっ!っと持ち上げるだけでも一苦労。そしてページを繰ると、今度は心と脳みそをぐちゃぐちゃに刺激される。
しかし、フォトジャーナリズムの、現在の世界最高集団である彼らの写真をこれだけのサイズで見られるのは僥倖としか言いようがない。
この写真集を見ると「レンズの歪曲周差が」「デジタルかアナログか?」なんて議論が陳腐に思える。要は「どこか、事件のある場所に行ってシャッターを押すこと」それ以外、写真家に必要なことなんかない、と思えることが、一番のメリットかもしれない。
写真が好きだ。
特にブレッソンの作品にはいつも特別な感情が湧いて来る。
だから、ブレッソンは私なりに追ってきたつもりだった。
報道写真という物には、それとはまた違う感情を刺激される。
知らない世界や、自分では決して見る事の出来ない瞬間を見せてくれる。
私には両輪のような存在だ。
しかし、このマグナムフォトのDVDを見て、私の中で両輪だと思って
来た二つの世界が見事にひとつの大きな世界になった。
感動した。
写真家のそれぞれの活動も、言葉も深く、素晴らしい。
だんだんに、知らなかったマグナム集団の大きさ、厳しさ、難しさ、凄さを
知ることになった。
最後に出てくる創立者の一人のブレッソンがあまりにも素敵だ。
また、もう一段階写真が好きになった。
嬉しい思いでいっぱいだ。
このDVDは大切にしたい宝物のひとつになった。
CAPAがファインダーを除きシャッターボタンを押す。 写真がこんなに面白いとは。 写真に匂いなどするわけないのですが、人の匂い、硝煙の匂い、山の土の匂い、海の匂いが漂ってます。 全てのカットが現実を離れて映画のシーンのような構図です。不謹慎ですが悲壮な中にも爽快な感じがします。 文章も凝っており、何度読み返しても飽きることがありません。 どの写真も端から端まで魅入らされました。
あなたは、写真を見るだけの人ですか? 写真を撮る人ですか?
あなたは、写真を見せられるだけの人ですか? 写真を選ぶ人ですか?
MAGNUM CONTACT SHEETは、写真家と編集者の息遣いが聞こえるような書です。 その撮影現場で、そのカメラマンは、何を感じ、何を考えて、シャッターを押していったのか。 また、LIFE誌などの編集者たちは、そこから何を読み取って写真を選び、 カメラマンと共に名作となる写真を創りあげていったのか・・・
その瞬間を感じることの出来る書物です。
もし、自分の写真に行き詰まりを感じたら、この書物を開いてください。 そこには、あなたと同じように一生懸命写真に取り組んだ、偉大な先輩たちの心までが写っています。
20世紀を報道写真と共に歩んだカメラマン、アンリ・カルティエ・ブレッソンのドキュメンタリー。報道写真の最高峰「決定的瞬間(英語題名)」のエピソードなどが本人自身の言葉で語られる。ライカに憧れた世代、ブレッソンがロバート・キャパらと設立した「マグナム・フォト」の報道写真に身震いした世代の人に捧げられた短い映画。かつてのカメラ小僧には、少し高くても世界を動かした写真が同封されているコレクターズ・エディションをお勧めします。
|