以前、この本の著者である木村さんの「1日300人が行列する人気ラーメン店の作り方」という本を読み、楽しみに購入させていただきました。しかし、届いたのが萌え系(?)の表紙と最近の流行を追ったようなタイトルの本で、違和感をたっぷり持ちつつ読書開始。小説だというのも知らず、正直最初の印象はあまり良くなかったです。
しかしそのイメージも、ページをめくるごとにすっかりどこかに消え、物語に没頭してしまいました。
ラーメン業界の専門家だからこその知識と、一般の人でも馴染みのある他業種(吉野家とかプリウスとかディズニーとか)のノウハウが見事にマッチし、ラーメン業界の繁盛本に終わっていないところがすごい。そして登場人物も頑固親父の大二郎、今風おしんのような春香など、わかりやすく親しみやすいのも好感が持てました。
前の本はノウハウが1つ1つ丁寧に説明されている本で良かったのですが、この本も繁盛までが流れで見えるのが本当に役立ちました。表紙やタイトルは賛否両論だと思いますが、中身を見れば良さがわかる、ラーメン店の人以外にもおすすめできる良書だと思います。
ラボに入らなくて天井に穴を開けました 時々またがって遊んでます!
東京を中心に、老舗からお洒落で現代的なお店まで、さまざまな「看板」と、その看板を背負う「看板娘」たちが登場。時々人間以外の動物も登場しますが、基本的には全て人間の女性で、年齢も幅広い(小さな女の子から、老婦人まで)。写真は、看板娘やお店の雰囲気がよく考えられているように思えます。写真の下にはその写真を撮った写真家のコメントがあり、看板娘の言葉も紹介されていて興味深いです。1つのお店につきたったの1ページ、あるいは見開きで2ページの紹介ですが、写真の背後に、彼女たちが背負うものの大切さも感じられるような、あたたかい写真集です。色々な女性たちと色々なお店の存在は、東京という町の個性も反映しているような…。巻末にはお店の所在地も挙げられています。スーパーマーケットやフランチャイズの飲食店が多くなり、どこに行っても同じようなお店を見かける今日このごろですが、こうした個人経営のお店を支える看板娘たちを、私は心から応援したいです。
一話完結で何巻から読んでも面白く、飽きの来ない作風なので繰り返し読めます。
「これがいい!」「かわいいから萌えだ!」ではなく本来の漫画としての楽しみ方が出来る数少ない良作です。
読んだ後も本棚に置いておいて時間がある時に読み直す、内容なんて覚えていても読みなおせる作品です。
昔の漫画で言えば内容も作風も全く違いますが「ブラックジャック」や「銀河鉄道999」のように繰り返し読みに耐え得る漫画です。
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