DJが聴力を失う映画である。が、お涙頂戴の話ではない。これは障害を持った主人公が自らの才能を頼みにふてぶてしく復活する映画である。
スペインのイビザ島、ヨーロッパを代表するリゾート地が、DJフランキー・ワイルドの住む世界だ。ウイスキーを流し込み、コカインをキメて、自らも踊り狂いながら、くわえタバコでDJする。フランキーを演ずる俳優は、この天才と狂気の狭間の役にはうってつけの顔をしてる。いちどバランスを整えてから、その両眼を真ん中に寄せたような顔は、シリアスな時はただカッコイイのだが、ハメを外した時の下品な笑顔に、周囲を狂喜させる華がある。
フランキーが結婚したソーニャは誰とでも寝る売女である。エージェントのマックスは金の亡者だ。一緒にアルバムを創る二人の男は、何だこいつら?でもそんなの構わない。自分が一番のロクデナシなんだから。
イビザ島で11年間、快楽を追求してきた。大音量の音楽と、アルコールと女と薬にまみれた人生を送ってきた。
この生活がフランキーの繊細な耳を痛めつけ、本人が事実を認めたときには、ほとんど聴力が残っていなかった。それもあっさりと破壊される。
聴力を失った天才DJからは、誰もが去っていく。どん底からフランキーは一人で這い上がる。まずは薬を断つ。コカインの幻覚はお茶目な熊である。観客に憐憫の情を持たせない、悲壮感のないどん底からの復活。これが天才らしくて良い。
元ロクデナシなのに、この映画はモラルの因果応報を描かない。この点が気持ちよい。なぜ? 自分が障害者になっても、過去を悔いて聖人君主に成るのはまっぴらでしょ。
五感を研ぎ澄ませば、音は見える、触れる。聴力ゼロのDJが復活する。
復活したフランキーに、手の平を返すマックスは気持ちいいほどの金の亡者だ。それを出し抜くフランキーはさらに気持ちいい。
教訓を残さず、同情も引かない、すがすがしい障害者の映画である。
天才というのは、天才であるがゆえに、しばしば失敗をするものです。
テレンス・トレント・ダービー改めサナンダ・マイトルーヤも例に漏れず、
この「ワイルド・カード」において、ひとつ大失敗をしてしまいました。
それは、このアルバムがあまりにも出来がいいという事です。
どの曲も素晴らしく、聴いていると、
「ポップミュージックの歴史も長いのに、まだこんな曲が生まれる余地があるのか」
と関心さえします。
「オー・ディヴィーナ」から「ドライヴ・ミー・クレイジー」までで徐々に盛り上げて、
「シャローム」や「ラブ・キャン・ユー・ヒア・ミー」あたりで一旦クールダウン、
そして「グッドバイ・ダイアン」「...アンド・ゼイ・ウィル・ネヴァー・ノウ」
「セイ・アバウト・ユー」「シャドウズ」で怒涛のクライマックス、
そして「ベネディクション:シュガーレイ」でエンディング、という具合に、
アルバムとしての完成度も異常に高く、通しで聴いたときの
印象が非常に特徴的でドラマティックに仕上がっています。
つまり、付け入るスキがどこにもないのです。
なんだ、文句ないじゃないか、と思うかもしれませんが、
長く聴いていると、こういうアルバムは、ちょっと疲れてくるんですよね。
クオリティがあまりにも高すぎるがゆえに生じる問題なので、
贅沢な悩みといえばその通りなんですが。
更に一歩超えた偉人になると、ひとつ、外してきます。
ビートルズの「アビイ・ロード」における「ハー・マジェスティ」といえば分かりやすいでしょうか。
それでも、この「ワイルド・カード」が素晴らしい作品であることには
間違いありません。未聴の方は、ぜひお試しください。
デイブ.ロジャース本人が歌っていて、ユーロビートのような仕上がりになっています。TMファンにはたまらない作品です。
スパイダース、ジャガーズ、カーナビ―ツ、オックス、フラワーズなどメジャーなGSの貴重音源が満載。しかも大家・黒沢進氏の選曲・監修により、内容も素晴らしいものに仕上がっている。タイトル曲の「メラ・メラ」など、ガレージ愛好者にも必携のナイスなコンピレーションだ
あちらこちらで軒並み高評価なので購入しました。
みなさん仰るとおり速さの求められるレースゲームとは若干趣が違います。
なので綺麗な走りでゴールしてもあとからフラフラとゴールしてきた友達に
負けることもしばしば…
確かに序盤の難易度はライトユーザー向けという肩書きに耐えられると思いますが
後半の難易度は高く感じられました。なのですべてのイベントを完全クリアするのは
かなり骨がおれそうです。運とかも必要になってきますね。
全体的には長いスパンで遊べる楽しいゲームという印象です。
こういったゲームがもっと認知されていくといいと思いました。
あとやりすぎると肩がこってしまうので☆−1ということで;
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