『冬物語』『やったろうじゃん』『電車男』など、学生を主人公に名作を送り出してきた原秀則氏ですが
今回は一転してオトナが主人公。しかし主人公がオトナになっても”原節”は健在で、新境地でありながら原秀則氏の魅力はそのままにといった感じです。読後感も良く、オススメの一冊です。
この作者の作品はほとんど読んでいます。
自分の居場所を確かめるだけではなく、ほかの人を助けようとする「あたし」です。
野球は、ひとつのきっかけでした。
奮起する者への応援歌です。
寡聞にして、朝日軍のことは店頭でこの本を手にするまで知りませんでした。 裏表紙に書かれている粗筋通りの作品です。ストーリーやエピソードも予測できるものでしたが、このような「逆境をはねのけて活躍する」話は個人的に好みですので、甘く星5つです。原作も読んでみたくなりました。
「やったろうじゃん」・「冬物語」等、青春ものの傑作をお書きになる原先生の最新刊。
今までとの最大の違いは、主人公が女性ということです。
でも、キャラクターは間違えなく原キャラです。
主人公、渋井杏子(名前の読み方はコミック読んでね(笑))。
仕事はやる気が無く、東京で楽しく生活を夢見るが、結局は地元の過疎町役場勤務のOL2年生。
地元出身で野球界のスーパースター、日笠満をつかって町おこしをしようと考える町長にはめられ、町おこしの特命室長にさせられてしまう。そんな彼女の町おこし奮闘記。
杏子ちゃんが、1巻冒頭と1巻の終盤の2カ所で、海で泣くシーンがあるのですが、泣いている理由が全く違います。
ここが圧巻です!!
仕事で嫌なことがあった人・会社で自分の意思にそぐわない仕事を押しつけられた人、気分転換に読んでみてはいかがでしょう。元気が出る、お薦めの一冊です。
こう生きてると優劣って簡単につきます。
お金がある・貧しい、運動ができる・できない、勉強ができる・できない、容姿が良い・見栄えが悪...etc
誰かが優れているってことは、その反対をみると比較的出来ない人が生まれるのは絶対といっていいでしょう。
その時、その何かが苦手な人が同じ様な人ばっかりでグループを作ってみる?そうすると、またその中で同じ様に優劣がつく。一方で、出来る人が似たような人同士でグループを作ると、またその中でも同様にヒエラルキー的な優劣を認める構造が生まれる。
さて、こういった社会で気持ち良く過ごすには?
僕は個人的にですが、自分が誰かより優れている必要はないと思っています。気持ちよく過ごせればそれで十分じゃないですか?
さて、この物語で主人公は東京の進学校で落ちこぼれ、田舎の高校に編入してくるという話です。結果的に、この環境がよかったのか、絶望から徐々に変化が生まれ、将来にも希望を見出す事ができました。
何がよかったんだろう?
この田舎には認めてくれる人がいたのかな、ってのが読んでて思ったところです。それがきっかけでかは知らないんだけども、自分でも自分のことが認めれるようになる。そうすると希望って生まれますよね。
毎日を気持ちよく過ごすのって、自分の現状を認めてあげたり許してあげたり出来る、それが大切。最終的に、僕はおじいちゃんになって「死にそうだけど、この飯は美味い」ぐらいを言えるようになるのが目標です☆
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