高句麗の始祖、弓の名手を意味する『朱蒙』を描いた作品で現在日本では第40話くらいを放映中。実はこのDVDボックスすら待ちきれず、某国のDVDを手に入れて最後の81話まで観てしまった。最後はチュモンとソソノはこうなるのか、と驚いてしまった。
なにしろ『朱蒙』の圧倒的な映像のセンス、俳優の技量、脚本、音楽全てがハリウッド以上だと思える。そして韓国の映像スタッフたちは自身の国の歴史に誇りを持っているのも感じられる。一方日本はアニメーションの分野でその能力は発揮されているが、俳優・脚本・映像センス・音楽全ての点で大きく劣っているとしか言えない。そして何となく正々堂々とした力作を作るのでなく、搦め手みたいな作品ばかりになってしまっている気がする。
ハン・ヘジンの美しさがDVDでは圧倒的。81話まで全く色あせない大傑作だ。韓国凄い。
ドイツ人アンゲリカ・タッシェンは冒頭で、東京は世界で唯一のシンボルのない都市であり、災害などが多くて永続性が求められない分、可変的なプラスティックのような街だと言っている。その視点から見れば、東京のパノラマは近未来的で無国籍、何かに拘泥しない柔軟性を持った漠たる広がりにも思えてくる。
インテリアのページでは、昔から話題のコシノ・ジュンコ邸も何度か登場。ディテールに木が多用された家は確かに多いが、ガラス、コンクリートなどの無機質な素材のあしらいも印象的で、広がっているのは、ベタな日本の暮らしとは別物の、ZENの世界だ。猥雑な現実、常に先を争っているような雑踏から逃れたい時、外国人気分でひもときたい一冊。
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