待望のアルバムのCD化。全曲が夏向けでどの曲もシングルカットできそうな出来栄え。
黒住さんが紡ぎだすメロディーと透明感あるボーカルが、松原正樹氏のアレンジとギターワークに包まれて心地良く響きます。
大ブレークしなかったのが不思議で残念。80年代の高揚感を時代を越えて伝えてくれます。
音源の劣化で、ボーナストラックの「パラダイス・アイランド」と「子午線」の音質がイマイチですが内容は5つ星です。
金澤寿和氏を筆頭とし、信頼出来る方々のリコメンドは 参考になる本かと思います。 ただ、いくつか言うとすれば、 『良くも悪くも選者の趣味』があるということは確かです。 つまり、載せられているアルバムすべてが、 金澤氏のお気に入りというわけでもないようです。 よくよく読むと、『OO氏はこういう系統が好きだな』と 解ってきます。 それを解ったうえで、活用するのが一番かと思います。 無論、その1人1人のカラーの違いが、 多彩なものを紹介できている側面もあるので、否定はしていません。 ただそう言った点での多少の残念なところというか、 難しいところは、 LIGHT MELLOWという名前で表現しているが、 『ライトなだけ』『メロウなだけ』という作品も多く含んでいる点です。 例えば、角松敏生のAll is Vanityはメロウですが、 ライトではなく重い作品ですし、 しばたはつみのLOTS OF LOVEも寺山修司の詩に歌を乗せた 深い作品です。確かにメロウではあっても。 他にも、斎藤誠氏のようなややフォーキーな音楽も入っています。 逆に、探すとライトだがメロウではないものもあります。 これは活用の際に注意したほうがいいかもしれません。 もういくつかあげれば、比較的最近の発売にも関わらず 廃盤表記になっていない廃盤(在庫切れなだけかもしれないが) があったりと注意しなければならなかったり、 越美晴の作品のように、CD化されていたのに未CD化になっていたりと データが甘い部分もあります。 とはいえ、昔の日本の素晴らしい音楽に 目を向けさせてくれる名著であることは間違いありません。 何だかんだ言っても、いい音楽を見つけるのに かなり役に立つガイドであることは事実です。
黒住憲五、この名前に興味を持たれた方には作品の内容をあれこれ論じる必要はないでしょう。そこに関しては「名作」この一言で充分だと思います。
ただ、今回CD化されたこの盤をお聴きになられた方はお気づきと思いますが、音質は正直、良好とは言えません。
私自身、かなり気になり、もしかしたら不良品ではないかと直接メーカーに問い合わせました。
答えとしましては、まずマスターテープの劣化ということだそうです。ただこれは、古い作品をCD化するうえで仕方のないこと言えるでしょう。
ふたつ目の理由として、一部音源のマスターが紛失しており、直接アナログ盤から音を拾ったため、ということでした。
確かに数曲の冒頭で盤に針を落とした時のノイズが確認できますし、音がヨレて聴こえる部分もかなりあります。
実は、過去に何度かCD化の依頼をいただいた時も、そのような理由から完璧な音源が提供できないということでお話をお断りしていたそうです。
まぁ、それでもこうして手軽に聴けるようになっただけで御の字。良くぞ英断していただけたものだとメーカーさんにも大拍手です。
音質の劣化もヘッドフォン、大音量で聴くと気にはなりますが、普通にステレオのスピーカーから流して聴く分には問題ないかとも思われます。
ある日、何気なく検索をかけてみた。 あると思ってもいなかった新譜を見つけた。 それがこの『デイズオブワンダー』。 久しぶりのアルバムなのに、なんのブランクも感じさせない。 あの頃と同じ黒住さんがいた。 日本のAORの代表といってもいいような人だけど 別にジャンル分けしなくても、すっと馴染む音。 アンニュイな大人のヴォーカルを聴いてみて下さい。
昔からのファンにはうれしい『Lucia』のリメイクも。
|