ムー DVD-BOX 1
続編の「ムー一族」がよりバラエティ色を強め、笑いの部分が多かったのに対し、原点の「ムー」はあくまでドラマ部分に重きを置いた泣けるホームドラマです。
この「ムー」シリーズを語る上で不可欠なのが明と暗の共存。
一方ではドタバタ的に明るく、もう一方では思いっきり暗い。その絶妙なバランスがこの作品の持ち味だった。
「ムー」では、過失で妹・桃子を障害者にしてしまい家を出た長男・健太郎の苦悩、桃子の許し、弟・拓郎の反発が深く描かれていて秀逸だった。
しかし続編の「ムー一族」ではその設定はリセットされ、うさぎ屋の地主の若い後妻と駆け落ちした健太郎の話で、それが元で立ち退きを迫られている設定。
健太郎の家族に対して不義理をしている点は変わらないが後者は明らかにインパクトに欠けていた。
その設定一つ取っても「ムー」には敵わない。
さすがに文化や習慣に時代を感じさせるが、古き良き昔の日本を楽しむには現代の観賞にも十分耐えられる作品です。
仮に現代のテレビ局が絶対に作れない番組を3つ挙げよと問われたら、この3作品を挙げたい。
「8時だョ!全員集合」と「ゲバゲバ90分」、そしてこの「ムー」を。
怖い絵 (文春文庫)
全部で9章からなるオムニバス。乱歩の挿絵を描いた竹中の「陰獣」や、ビアズリーのサロメ、武者絵の伊藤彦造等の、太陽より月の光の下で見るような「怖い絵」とともに語られる、どこか倒錯的な性の記憶。勿論綺麗な口絵入り。軽いよみ口です。
向田邦子との二十年 (ちくま文庫)
没後何年たってもフォロワーもファンも減らない向田さんの
素の姿を横で見ていた、久世さんによるエッセイ。
向田さんのたたずまい、生きかたが
あまりにも素敵で、格好よくて可愛くて切なくて
女性だけど、抱きしめてあげたくなります。
完璧にみえる憧れの向田さんの、違う姿を
垣間見れて楽しく拝読しました。
自身も作家である久世さんの文章も美しい素敵な本です。
ユメ十夜 [DVD]
発売日一日前の今日(八月二日)、家に届きました。
内容は原作を少なからず多からず踏襲していながら、
それぞれの監督の色が強く出たものとなっていると思います。
映像の見せ方が様々で、その点は特によかったです。
全体的に『世にも奇妙な物語』のような流れや雰囲気を持っているので、
そちらのシリーズが好きな方も楽しめると思います。
「第七夜」のみCGアニメーションで製作されており、監督はあの『ファイナルファンタジー』のキービジュアルなどを担当されている天野喜孝氏となっています。
これを見て、FFファンの自分はニヤリときました。
ゲームに登場しそうな幻想的な巨大船、一人の美少年と一人の美少女、様々な亜人種たち、
一見怪物のようでありながら美しく個性的な生物達と極めつけの主人公の落下シーン。
さすが長いことFFの絵を書いてきただけのことはあるなと感じました。
個人的見解ですが、見所は『奇妙』『恐怖』『幻想』『滑稽』『哀愁』の五要素です。
本当に夢をそのまま映像化したような作品です。是非、購入して楽しんでみてください。