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馳星周の不夜城:夜8時過ぎの新宿歌舞伎町散策



何読んでる??@904yuki 馳星周




不夜城 [DVD]
98年の初夏。タクシーの窓にべたべたとステッカーが貼ってありました。20世紀ももうすぐ終わるというあの時代を象徴する映画でしょう。今となってみれば結構のどかな時代。悪がはびこってようと活気のあった歌舞伎町。あの2000年の大火災を期に歌舞伎町は衰退の一途をたどり、今では出口の見えぬゴーストタウン化してしまいました。新宿インシデントや龍が如くが束になってもかなわないあのころの熱気に満ちている懐かしい映画となってしまいました。究極の激しいリアルが懐かしい甘美なノスタルジーにとってかわるというパラドックス。

 

M [DVD]
あまり期待もしないで見始めたのですが、主演の美元さんに見ているうちに惹かれていきました。主婦層好きにはたまらない極上の作品じゃないでしょうか。
欲を言えばもっと美元さんの絡みシーンがあればよかったのですが・・・
それでも一見の価値ありだと思います。

 

ドラゴンファイト [DVD]
どうなんでしょう?これは。
ストーリーの強引さは香港映画だから許したいけれど、それでも後味が悪い感じがしました。なんだか大事なことが中途半端で終わってしまったような・・・。
この作品で注目すべきところは、現在は大スターになったジェット・リーとチャウ・シンチーが共演しているということですね。ジェット・リーはまだリー・リンチェイと呼ばれていたときだし、シンチーはまだコメディ俳優として当たる前です。棒で戦うリーの「少林寺」ばりの華麗さが見ていてワクワクしました。それにシンチーはギャグなしの映画で見ると「あ‾この人、演技上手いんだわ」って思います。
若き日の2人を見られるということでは収穫ありますが、作品としてはどうなんだろう・・・。

 

不夜城 (角川文庫)
歌舞伎町の裏の部分を舞台に、そこを牛耳る日本人ではない人種達の抗争劇。
それはあたかも民族紛争さながらで、台湾・上海・北京、そして半々の対立、
謀略、裏切り等のストーリ進行は非常にスリリングで、全く飽きる事があり
ません。

主人公とヒロインの最終的な着地点も、驚愕の結末とも言えるし、しかし
物語の流れとしての終着点としては納得の行く当然の結末とも思えるし、
とにかく良く練られていると思います。

最近のノワールはグロな描写が多い者が主流となってしまっていますが、
本作は全くグロくなく、それでいてとても緊迫感があります。

金城武主演の実写版も見たくなりました。

 

ブルー・ローズ〈下〉 (中公文庫)
途中からのテンポの良さは流石 馳 星周だが、何か今までの作品と比べて違和感あり。
事件の背景となる官僚警察の描写が意外と単純で驚きにかける。また、主人公に都合よく話が進みすぎて他の作品にあるような”どうしようもない手詰まり感”にかける。終いには”何で死なないの??”、、、
かつての馳 星周 ファンには物足りない作品と言っておきます。

 

ブルー・ローズ〈上〉 (中公文庫)
上巻のハードボイルドから下巻のハイスピード・ノワールへの転換は
作者自身が「後半は馳星周になっちゃいました」と言っていますが、
残念だったのは硬質な探偵小説が貫けなかったことよりも、SMに
ついての扱いが凡庸なものとなってしまったことです。

言うまでも無くSMは倒錯の世界であり、それゆえにプレイヤー
(という言葉が適切かどうかわかりませんが)の内面に入り込んで
心理描写が描かれることは他の作品でも目にすることが多いです。

しかし、共感でもなくドン引きでもない「適切な距離感」で、SMを
外側から描き切った作品は、私の読書体験の中にはありませんでした。

適切な距離感を保つには、全てを他人事のようにクールに対象化し、
何事にも動じない度胸を持ち、かつ、内面について共感ではなく
「理解」をする知性を持った−まさに上巻の徳永のような人物に
しか語れなかったと思われるだけに下巻の転換は残念でした。

後半の展開はまことに安定感があり「いつもの」という以外に形容でき
ませんが、SMの扱いは殺し屋1とか先行作があるのではないかと
思いました。
蛇足ですが、ラストは女性直木賞作家のブレイクスルーとなった、アレ
がモチーフになってませんかね?

 

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