伊豆スカイライン (熱海峠→天城高原) その1
![]() 島崎警部のアリバイ事件簿 (天城一傑作集 (2)) |
~昨年上梓され、本格ミステリファンから好評を博した『天城一の密室犯罪学教程』に続き、今度は、時刻表トリックをはじめとするアリバイ崩し物を中心に編まれた傑作選。 アイデアの奇抜さという面では、前著に一歩譲るが、その分、読みやすく、初心者にお勧めするなら、むしろ、本書が良いかもしれない。 本書の時刻表トリックは、どれも緻密で、いくつもの~~可能性が検討された末、真の解答に至るプロセスはスリリングで、本格物ファンには堪えられないだろう。 ただし、当然、いずれも現行のダイヤグラムとは違うので、「実用」的値打ちはない。あしからず。 だが、作品の値打ちは永遠に変わらない。今なお、輝きを失わない名作揃いである。~ |
![]() 天城一の密室犯罪学教程 |
作者の天城一については、いろいろと噂を聞いていました。「短いながらも切れのある短編を書く」だとか「時刻表をつかったトリックの佳品がある」だとか良い噂ばかりを。しかし、作品はあちこちのアンソロジーに収録されているものの、それ自体が手に入れにくくなっていて、読んでみたくともなかなか読めない作家の一人でした。 そんな、私にとって『幻の作家』だった天城一の短編をまとめて読めるなんて!こんなうれしいことはありません。デビューが1947年ながら、天城一の名前での本はなんとこれがはじめて(私家版などは何冊かでているようですが、まず手に入りません)というから、私が『幻の作家』と呼ぶのも、とてもよろこんでいるのもわかってもらえると思います。 内容は、噂に聞いていたとおり、ムダなものはいっさいはぶいたとても短いものでありながら、短いからサッと読めるかと思うとそうでもなく、熟読が必要です。まあ、ずっと待っていたものをサッと読んでしまったんではもったいないですから、じっくりじっくりと読みましょう。 本書に収録されなかった作品もまだあるようなので、それらもぜひぜひ出版してほしいものです。 |
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