とかく、ブラームスというと、剛毅だとか、晦渋だとか、重々しい音楽と思われがちですが、指揮者、ビシュコフの手に掛かると、なんと素晴らしい、美観と感動いっぱいの音楽となるのです。第一番についていえば、第2楽章の印象的なヴァイオリンソロ、そして、甘味いっぱいの第4楽章、こたけでもビシュコフ・ファンになってしまいます。
更に、ボーナス編では、英語ですが、ビシュコフのユーモア溢れる人柄を垣間見ることが出来ます。
CD1:
・レーガー:前奏曲とフーガ ト短調Op.117-2
・J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV1001
・レーガー:前奏曲とフーガ ロ短調Op.117-1
・J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV1002
CD2:
・レーガー:シャコンヌ ト短調Op.117-4
・J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004
が収録されています。
私としては、Bachはいらなかった。
Bachが入っていないと売れないという意向がレーベル側にあったのだろうか?
Bachと並列させることに意義のあったことは認めるが、
中途半端にピックアップするのなら全曲Regerでまとめていただきたかった。
そう、あまり世に出る機会がないだけに。
CD二枚目ではRegerのシャコンヌとBachのシャコンヌが並列されています。
シャコンヌの共演、競演、饗宴です。
「日本人には取っつきが悪いとされるRegerも、
Bachの投影を意識した奏者の解釈によりかなり近くで響く…」
とは日経新聞の評であるが、それは本当にそうだと思う。
それにしても、もっとRegerを聴きたかった。
メジャーレーベルでは名曲路線(聴き飽きた路線、食傷気味路線とも言う)であるだけに
折り合いがつかず、あえて別会社で録音した意欲作とのこと。
私は、その奏者の意気込みを賞賛したい。
そしてメジャーレーベルには苦言を呈したい。リリースする曲が、同じものばかりである。
その方が売れるから…という理由はもういい。
彼女のような気骨がメジャーレーベルにも欲しい。
先にも書いたように、本当はBach抜きでやって欲しかった。
しかし、商業主義のメジャーレーベルに一撃を喰らわせたというところが大きい。
であるので、選曲に不満はあるが☆は満点をつけたい…。
男はたいへんだな、と思った。男はくだらないとも思った。 学生運動の時代を生きた若者が社会に組み込まれ、観念して人生の仕切り直しをする。 そんな二十代後半の「先輩たち」を二十歳前の薫くんは観察し、少しだけ共感する。 この本は、若者が生きる道が本当に険しくて、進路を変更してしまうことが実は普通なんだということを、ほんわかとした語り口でわからせてしまう。 見かけに寄らずなかなか手強い本である。
庄司さんは、とても鋭いリズム感を持ったヴァイオリニストだと思います。ライヴでこれだけ集中力の高い演奏ができるのですから、その才能は桁外れに大きいのだろうと思います。判断力の速さと適確さ、情熱的でデュナーミッシュな演奏スタイル。超一流だと思います。 この人はどんな音楽家になっていくのでしょうか? 精神的な力には限界があります。精神力に依拠しすぎた演奏スタイルを確立してしまうと、加齢によって集中力に衰えが生じたときに演奏できなくなってしまいます。庄司さんの密度の濃い演奏は、行き過ぎると窮屈で重苦しい音楽になってしまう危険もあります。個人的には、伸び伸びと、楽しみながらヴァイオリンを弾くタイプの音楽家になってくれることを願っています。
熱い学生運動の季節が終わりに近づき、しらけたノンポリ学生が大量に出現する、そのリアルタイムの記録としても貴重。 演出は原作のクールな味を生かしつつ、実験的な手法を取り入れ当時のアメリカンニューシネマに拮抗している。 どこか石坂浩二にも似た岡田裕介(現 東映社長)のノーブルで素人臭い佇まいがまたマッチしている。
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