しりとりアニメ完結篇 1991年むらかわみちおモバイル

しりとりアニメ完結篇 1991年

虚数霊 1 (MFコミックスフラッパーシリーズ)

「キルレアン測定器の登場により、大きな転換期を迎えた骨董業界」「その骨董を調査・回収する場として用意された、震災で崩壊したかつての首都・東京」「モノに込められた想いとモノに想いを込めた人たちの物語」くらいで止めておいても十分面白かったはず。
これ以上の演出・設定は、明らかに「盛り込み過ぎ」だったと言わざるを得ない。
少なくとも、１巻の段階でこれほど多くのネタを放り込む必要は無かったんじゃないだろうか。

おかげさまで、何を楽しめばいいのか、物語としての基軸がどこにあるのかが読者に大変分かりづらい。
これほど「勿体無いなぁ」と思う作品も珍しいだろうと思う。
一つ一つの材料は興味深く面白いものが多かっただけに、非常に残念ではあるけれど、私からの評価は☆は３つです。

宇宙戦艦ヤマト2199 (2) [Blu-ray]

映画見に行けないＤＶＤ発売待ち組です。
初代ヤマト世代の人間です。

反射衛星砲との死闘が終わった後のヤマトの船体を見ると、右横っ腹に受けた一撃や、左横っ腹をかすりながら船尾にて被弾して大破した痕跡、後部の第二副砲が完全に被弾破損してる状態をしっかり表現した状態で航行していたので、ホントびっくりしました。
以前の復活編では、恐ろしく被弾してもＣＧポリゴンのヤマトには傷一つ付いておらず、現代のＣＧ技術をもってしても、やはりそこまで複雑な描写でヤマトを動かすのは無理なんだなぁ、と思っておりましたので驚きました。

「被弾しても被弾しても沈まない無敵戦艦」だったところも、アニメの主役戦艦だから、って理由で目を瞑ってましたが、今作からは「バリアの理論（しかもタイムリミットの弱点付）」を用いて、見事に整合性と緊迫感の両立が計られており、制作サイドの練りこみの凄さに感服致しました。

新キャラに関しては、森雪と古代の掛け合いで古代がボケた時の新キャラズッコケギャグが入ったところで初めて「やられたっ」と思いました。
料理で例えると味を引き立てる「隠し味」になっていると思います。

ただ、自分的にもまだこの隠し味が、いい意味の隠し味か悪い意味の隠し味か、どちらになるかは判断つかず微妙でして、もう少し様子を見ようと思います。
人によっては絶妙なスパイスにも成り得るでしょうが、場合によっては余計な味付けと捉える方もいると思います。

旧作からのファンとしては、今回の新キャラ投入に関して特に否定的な感情は無く、新旧融合で過去にだけしがみつかない前向きなチャレンジとして、良いことだと思います。

当時、子供だった頃の自分の目には、その頃のヤマトの映像も、この2199の様な凄いものに映っていたんでしょうね。
大人になった今またこうして、当時と同じ様にわくわくさせてくれる作品を作って頂いたスタッフの皆さんに感謝します。

宇宙戦艦ヤマト2199 3 [Blu-ray]

今回も素晴らしい出来映えの作品だとおもいます。監督をはじめとして、2199の制作に関わられた方全てに最大限の感謝と賞賛をおくりたいとおもいます。
個人的に感じた細かい部分のレビューをさせて頂きますので、ネタバレにはご留意下さい。

第7話「太陽圏に別れを告げて」
旧作で独りぼっち同士飲み交わす沖田と古代が今作で無いのは非常に残念です。しかし、このタイミングに合わせて「真っ赤なスカーフ」を持って来られたのには感涙でした。山本と古代が、お互いに通信する相手が無く接近して行きます。また森雪が記憶を無くしていて、ここ1年は土方の元にいたというのは興味深い設定でした。1年というとユリーシャが地球に来た頃で、しかも雪はシュルツが持っているのと同じような（ホログラフィの）機械を持っていました。そして新見薫は芹沢からイズモ計画に関する密命を受けていて…。今後の反乱を予感させるような終わり方です。太陽圏と恒星間空間の境界から見る8年前の青い地球の映像には納得でした。

第8話「星に願いを」
旧作のα星のストーリーですが、あの名台詞「ガミラスに下品な男は不要だ」がそのままあるのは憎い演出です！前作のバリアに当たるものも詳細に設定しなおされていて、ガスの描写も素晴らしい！登場人物もヤマト3に登場したガルマンウルフことフラーケン、あとタランが二人いて兄弟という設定も憎すぎますねぇ…スタッフの愛を感じます！残念なのは波動砲の描写が軽く感じることと、デスラーが祝電を打つ（前作デスラー機雷の回が無いので）シーンが無いこと。シュルツ・ガンツの死に様は漢を感じさせます。

第9話「時計仕掛けの虜囚」
旧作、ビーメラ星で森雪との恋愛に悩むことでロボットと人間の狭間で苦しんだアナライザーの回は、今作では捕獲したガミロイドと真田さんとのからみに変更されています。が、これがじっくり観ると良くできた深い話です。ロボット同士だけでなく、人間同士もロボットと変わらないのでは？クールな「なんていうか、コンピューター人間？」的な真田さんが、人として悩む姿にとても親近感を覚えた話でした。

第10話「大宇宙の墓場」
旧作の異次元断層の回ですが、今作ではかなりストーリーが練られています。同様に漂流していたがガミラス艦が、互いに協力すればこの空間を脱出できると協力を求めてきます。ヤマトが波動砲を撃って脱出口を作り、ガミラス艦がヤマトを曳航して脱出するという約束を沖田と交わすEX178艦長ラング。今回のガミラスには漢が多く、敵ながら天晴れな武人が数多くいるようです。ガミラスパイロット・ディッツも女ながら立派な武人でした。ちなみに白色彗星帝国の戦闘機が異次元空間にキッチリと描かれています。単なるお遊びなのか次作への布石か、今作でからんでくるのか…？こんな一シーンでもヤマト心に火をつけてくれるスタッフに感謝（恨み言？）です！

今作は派手な戦闘シーンこそ少ないものの、人間を深く描いていて徐々にオリジナリティ部分も増えてきています。科学的なリアリティの向上のみならず、おそらく人物の内面や設定などもかなり深く掘り下げられていて、今はそのほんの一部分を見せられているのではないかと深く感じています。新たな展開の伏線なども旧作ファンにとって許せないほどのものではなく、むしろ第4章が待ち遠しいです。旧作ファンとしてはオリジナルを超えることはないと信じていたりしますが、それでも先が非常に楽しみな作品です。オリジナル並びに偉大なる2199に栄光あれ！