レイブンスレイ伯爵家の財政は苦しく、持参金もなく結婚も見込めないと思った令嬢のルイザは付添役として働く人生を選びます。雇い主は、娘たち(ジェニーとケイト)を爵位を持つイギリス貴族へ嫁がせようとするアメリカ人富豪のローズ家。爵位はあるがお金には困っているというルイザの兄レイブンスレイ伯爵と友人のホークハースト公爵は、財産を得るためにローズ家の娘との結婚へこぎつけようとします。ルイザは付添役として2人が結婚相手にふさわしくないと考えるものの、何としてでもこの結婚をものにしたいと考えたホークハーストは罠を仕掛けますがそれが予想外の結果に。
この作品けっこう好きです。何もしらなければ遊び人としか見えないのに、実は誠実で強くて優しい心の持ち主であるヒーローにかなり好感が持てました。お金のために結婚しようとしたのは大切にしている家族たちのためであることが伝わってきます。それに妹への愛情が溢れてましたね。ヒロインのほうも前向きな性格と思いやりに溢れた女性です。爵位・財産・愛情、何かを取れば何かを失うというような状況をいヒロインとヒーローが思い悩む姿が切なかったです。
男女の関係を描いた映画は数あれど、
このような「不倫」関係のサスペンスで、
20年以上もたつのに未だに話題になる映画は他にはないのではないでしょうか。
(いろんな意味で)
特典にあるように、当時フェミニストからは猛反発だったようですが、
これは男女の普遍的な愛情と嫉妬、秘め事を楽しむ男といった、
いつの時代にもある事柄を描いている。
そしてその焦点の当て方が素晴らしい。
マイケル・ダグラスはヘッドフォンを当てながら、
グレン・クローズはルームライトをオン・オフにしながら・・・
言葉では語られない感情を見事に演じています。
そしてあまりも有名なラスト。
身から出たさび、とはいえ、ここまでくると本当に怖い。
グレン・クローズといえば「101」しか思い浮かばない人がみたら、
相当ショックな映画でしょうね。
これは一級のサスペンスでもあり、恋愛映画です。
素晴らしい。
大好きなショーン・ヤングは出演作は意外に少ない。「死の接吻」は先年亡くなったアイラ・レビンの衝撃のデビュー作の映画化。マット・ディロンがペン大(キャンディス・バーゲン、元アップルCEOジョン・スカリー、ジョブズを叩き出した人が卒業生)の学生で冷血な殺人者に扮するがいまいちインパクトに欠ける。ヤングは被害者と妹の二役でなかなかの演技者ぶりを発揮するがヌードはない。ちょっと残念。ベルイマン映画の常連・名優・マックス・フォン・シドーがヤングの父親役で画面を引き締める。ショーンの経歴は不明なとこあり看護婦さんか医療事務かはっきりしないが病院勤務は確か。MITに学んだジェイムズ・ウッズと同棲していた。二人の愛の行方は書きたくない。ヤングを傷つけるから。「ブレードランナー」の哀しいアンドロイド役の強烈なイメージから脱け出せずスランプもあるがファンとしては映画に出るだけで満足。演技派ではないが「芸術的」お乳の持ち主だ。それだけでも凄い。元医療関係者で親近感もある。だから評価は満点。
1959年アート・ブレイキーがシネ・ジャズに取り組んだサウンド・トラック盤。当時人気絶頂のジェラール・フィリップ演じるデカダンス的雰囲気を持ったヌーベル・バーグ映画「危険な関係」(1960)の中で、何度も耳にしたメロディーだ。フランス映画がこれほどモダン・ジャズと相性がいいとは誰もが思わなかったであろう。これに先立つ、マイルス・デイビスの「死刑台のエレベーター」でも、パリのしゃれた粋な雰囲気の中で、モダン・ジャズがゾクっとするほど似合っていた。映像の中では、確かブレイキーやリー・モーガンは登場せずアテレコ的にケニー・ドーハムらが登場し、演奏の映像と音楽が扱われやや興ざめだったが、レイジーな雰囲気の標題曲をはじめ、モダン・ジャズの粋を感じさせるスリリングな演奏である。危険な関係のブルース、危険な関係のサンバ、プレリュード・イン・ブルーなど哀愁を帯びた楽想は映画ファン層にモダン・ジャズを浸透させる貢献を大いに果たしたものと思われる。御大ブレイキー、さらにモーガンやティモンズのいつもながらのソウルフルなプレイは見事だが、ここでは当時弱冠22歳のバルネ・ヴィランのテナー・サックスも健闘していて、傑作の誕生に一役買っている。ヴィランは「死刑台のエレベーター」でもマイルスと競演し、当時のパリの若手のエースだった。スタン・ゲッツ的なメロディアスなフレーズで粋に吹きまくる彼の存在は、シネ・ジャズのもう一つの華でもあったといえよう。
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