スピード感とバリエーションを兼ね備えた言葉の応酬が
印象的な作品であります。
本作の会話こそ「言葉のアクション」と呼ぶに
ふさわしいのではないでしょうか。
ピグマリオリニューアル版第三巻は… ザドスの笛吹きル・ルージュの登場するゲオルグの国篇。 涙なしには読めない小品、雪山の王ゼオとの戦い「異形の王」。 黄泉に落とされた精霊オリエのものがたり「オリエ 地の底の戦い」。 さて、いよいよ第二部。 ドラマが深みを増してゆきます。 おすすめは、やはりおまけ「メイキング・オブ・ピグマリオ」で 作者もお気に入りと語る死の山の王ゼオとの物語でしょう。 「わしはただのけだものだ!」 「あの目がなにを告げていたかわからなかった」 「あの人が好きだったんだね」 「私が あの女を…」 自ら死にゆくゼオとクルトの最期の友情。 ゼオに仕える雪姫たちへのクルトの思いやり。 とてつもなく哀しく、優しい物語です。
A・ヘップバーンの『マイ・フェア・レディ』は、本作を、ほぼ忠実に再現してミュージカル化したものです。 原作はB・ショーの戯曲で、本作の脚色をB・ショー自身が担当。 監督の名前には主演のレスリー・ハワードが名を連ねており、スタッフとして、D・リーンがクレジットされています。 ヒロインのイライザ役は、デイムの称号を与えられた英の名女優・ウェンディ・ヒラー(『旅路』『わが命つきるとも』『オリエント急行殺人事件』)で、本作はW・ヒラーを一躍有名にした作品(クレジットではintroducing 扱い)。W・ヒラーは、舞台でもイライザ役を演じていたそうです。
『マイ・フェア・レディ』とあらすじの骨格は、ほぼ同じです。『マイ・フェア・レディ』と比較すると、本作は、ミュージカルではなく、モノクロで華やかさにかける部分はありますが、人間ドラマとして、すごく見ごたえがあると思いました。主演二人とイライザの父親役の名演を堪能。 特にヒギンズ教授役のレスリー・ハワード(『風と共に去りぬ』など)は、本作では、水を得た魚のようにイキイキと楽しそうに演じている所が見所かもしれません。 上流階級に属する学者・ヒギンズは、人の心がわからない唐変木で、本当は自分では何一つできない男性。一方、下層階級で全く教養がないイライザが、実は向上心がある努力家で、もともと知性と優しい心を持つ本物の淑女だという点が面白いのです。 二人の対照的な男女の心の機微と複雑な恋愛感情、英国の階級社会への風刺が描かれています。 テンポがよい台詞の応酬で、ほとんど無駄がない脚本のように感じられました。 教育して与えているつもりが実は・・・皮肉などんでん返しと、味わいのあるラストは、心の琴線に触れたところ。 原作は、ギリシャ神話の『ピグマリオン』を基に書かれたとのこと。 解釈は様々あると思いますが、男女の深層心理が興味深く、『教えたがり』で『女性を自分の好みの色に染めて育てたい』という多くの男性が持つ願望・深層心理にも注目した作品でした。 ★は4・5
妖魔メデューサを倒し平和を取り戻すため、長い旅をして来た主人公クルト。ところが、最終決戦を目前にして突然の悲劇が彼を襲います。しかし、平和を求める人々の思いを背負いながら果敢に進むその姿は、いつしか世界中の心を一つにしていきます。
人を、妖魔を、神々をも巻き込んでついに始まった最大の戦いを是非ご覧ください。
これまでの長い物語を振り返る総集編付きです。
古い漫画だが、買ってきたら子供たちのお気に入りになった。
子供にも読ませたい良質のファンタジー。
今度姉弟喧嘩で口汚いののしりになったら、
「クルト(主人公)やオリエ(ヒロイン)のように澄んだ心にならないとだめだよ」
といってたしなめよう。
主人公たちは明るく、心が強くて困難をいとわない。
周囲の人々も主人公たちと愛情に満ちた交流をするし、悪役にも心がある。
最近こういう読み物がひどく減ったような気がする。
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