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鳥山昌克×泉鏡花 『眉かくしの霊』 予告編





ご存じ 島津亜矢名作歌謡劇場
もともと亜矢さんの台詞には、いつも感動していたのですが、「お初」は亜矢さんの歌唱を聴いたことがなくとてもCD聴くのが楽しみでした。
・・・すっ すばらしい!!期待を裏切らない、とても切ない亜矢さんの歌声、そして台詞に涙しました。
「おとこ歌」の亜矢さん、「おんな歌」の亜矢さん、どちらの亜矢さんが好きな方にも、大満足の一枚です!!

 

鮫島有美子「ディスカヴァー2000」(4) からたちの花~日本のうた・第3集
鮫島有美子の「日本の歌」シリーズは回を追う毎に芸術歌曲に向かって行き、ついには後の「日本歌曲撰集」に至ります。

その一歩手前のこのアルバムでは、日本歌曲の中でも特にメロディアスで聞きやすいものが採り上げられています。親しみやすさと芸術性のバランスがよく、日本歌曲入門にももってこいですね。丁寧な歌唱でデンオンの録音も良いのですが、あまりホールの個性が生きていないのが残念です。ピアノは素晴らしいものがあります。

 

陽炎座 デラックス版 [DVD]
夢幻の登場人物たちに迷宮に翻弄されるような主人公の頼り無さも、 松田優作の独特の味になった。
絢爛たる豪華な色彩の着物と舞台セットが、大楠道代の妖艶なる美しさを際立たせていた。

「ツィゴイネルワイゼン」に続き、「陽炎座」も、あの世の引力を全編のトーンに充満させた怖い絵巻物でもあるのだが、その爛熟の果てに到達したかのようなその映像の、全編に息をもつかせぬ美しさが充満して、あらためて日本文化の美術感覚と映画の様式美を思い出させた映画。

登場する人物がすべてどこか現世的でない空気を持っているのだが、ただひとり加賀まりこは生身の生命力をかもし出していたのは許されたものか意図されたか、知るよしもないのだが、あれは加賀まりこというひとのつよい役者の性だったのだろうか。

逆にテレビでは司会などで元気な切れるテンポで押しまくるような楠田枝理子が、この映画では着物を着た静かな人形の風情で佇んでいる姿が怖い。

陽炎座の舞台小屋崩壊のスペクタルといい、そして、まるで映画の背景としての壁紙のように、徐々に妖しく増殖していく殺戮地獄絵図が過剰なほどにめくるめく、男女のあの世へのみちゆきの舞台を、そんな大道具セットたちが華麗に演出している。

ほうずきのみごとな朱色を生かして、水中のマジックを魅せたシーンも特に印象的。

前作と違って、目に見えるモノにすべて映画芸術の魅力を投影させようとしたかのような、ある意味で余裕のようなものが感じられるのは、前作「ツィゴイネルワイゼン」の絶大な成功に支えられたものと言えるかも知れない。
それはその分、「陽炎座」という映画は、誰にも感情移入を試みることができないというほどの美術仕掛けの映画・・ともいえるだろうか。

 

夜叉ヶ池 [DVD]
舞台を映像化したものは、せっかくの臨場感が伝わらず、寂しく感じることがあるのですが、
映画監督をされているからか、これは映像で見てもおもしろかったです。
舞台装置が非常にシンプルな分、アップになった役者の表情とか、
芝居ならではの役者の熱を感じ取ることができると思う。

汗びっしょりで大熱演の武田真治。
初舞台ながら、狂言回し的な役で、独特の雰囲気とおかしみをにじませている松田龍平。
なんとも可愛いらしい萩原聖人。
松雪泰子は、恋の炎に身を焦がす激しさ、恋人に会えない切なさに身悶えし、
髪を振り乱し叫んでいても、どこまでも気高くて美しい高貴な姫を体現してます。
そして、丹波哲郎。ヨボヨボのジジイ(失礼)のように見えても、
舞台上で台本読んでても、やっぱりすごい存在感。

舞台を見た人も見てない人も、楽しめるんじゃないかなーと思います。
でも、オマケというか特典(インタビューとか練習風景とか)はなかったのがすごい残念。

 

陽炎座 [VHS]
鈴木清順の描く世界は個人的にあまり好きではないがここで描かれる不思議な世界は結構好き。単純にビジュアル的に受け入れやすい気がする。あと、出てくる着物がどれもきれいでいい。

 

高野聖 (ホーム社漫画文庫) (MANGA BUNGOシリーズ)
 純文学というジャンルの中でもとりわけ耽美的な作品群です。
 純文学が私小説中心になったのは作者の時代よりもすこしあとになるので、近代文学に親しんでいる方はファンタジーの様な世界観に違和感を覚えられるかもしれませんが、そんな方にも是非読んで頂きたいと思います。
 この作品の大きな魅力は私達の世界よりすこし隔たったところで繰り広げられる、甘いと言うべきか、妖艶に近い物語の展開にあります。心があたたまる、という形式の物ではなく、あやしい美しさで溢れた作品です。私はこの作品が持つ怪しさにすっかり魅了されてしまいました。それは恐らく、作者の想像力の豊かさや、展開にあると思います。少しエロティックな展開もありますが、私はこの作品はとても気に入っています。
 ただ、随分昔の作品になりますので、世代の相違などで、文章が晦渋で完全に理解しようと思うと二三度読み返す必要がありそうです。

 

歌行燈・高野聖 (新潮文庫)
『歌行燈』と『高野聖』の二枚看板については、他の方のレヴューをどうぞ。
上記2作品の魅力と魔力については、ボクとて疑うところ些かもない。
だが、本書収録作品から一作となれば、ボクは『売色鴨南蛮』を選ぶ。


短い作品だが、収録作中もっとも後年に書かれただけあって、文章の冴えは断トツである。
ほんの出来心を思い詰める少年のウブさ、たかが眉形に涙する女の心理、ともに純情極まるものがある。
もっとも、これは作品を肯定的に解釈した場合であり、読みようによっては、筋運びの強引さとも映ろうか。
鏡花作品の一抹の弱さは、感情展開の恣意性の露骨さにあると思うが、知った上で、ボクはなお本作を贔屓する。
そうさせるのは、まぎれもなく、本作の銀線細工のごとき美しさである。

疑いようもなく、本作の極点は、宗吉とお千の別れのシーンだ。
状況を正確に飲み込めないながらも、事態の質については漠然と理解し、
だがどうしようもできない己が無力さに、ぐずりながら、ただその後を追う宗吉。
物語の流れはここにおいて悲劇の極みに至るが、それに続くは、一片のファンタジー、
この期に及んで、美しく優しい、花びらの舞う、おとぎ話のような可憐なファンタジーなのである。

そこにご都合主義を見出すことは可能であろう。
だが、そのいかにもあざといような筋書きが、ああ、見事なまでに美しいのだ。
耽美、その美しさのためならば、歪とわかった上で贔屓もしよう、望んで溺れもしよう。
そう思わせる魔力、ボクが鏡花を慕い、憧れ、陶酔するのは、まさにこの魔性がゆえにである。

『歌行燈』の美しさはもはやツァーリ・ボンバ級と言ってしまいたいほどだが、
『売色鴨南蛮』だって、破壊力では少しも負けてはいないのだ。


さて、最後に題名について。
タイトルからは内容を連想しがたいのみならず、当の鴨南蛮は作中に登場すらしない。
鴨南蛮と言えばおそらくは蕎麦だろうが、その蕎麦すら、たったの一度しか出てこない。
さらには「売色」ときた。理解に苦しむところである。

私見だが、これはいわゆる「夜鷹」の婉曲ではなかろうか。
それを匂わせる間接的な描写こそあれど、鏡花は決定的な場面を書いていない。
その狙いはようするに、宗吉のあいまいな状況理解を含ませ示しているのではないか。

 

高野聖 (集英社文庫)
聖性と恐怖とエロス、そしてイニシエーション。これらはホラー小説の定番であるが、「高野聖」にはそれらが見事に揃っている。
深山の奥に住む謎の美女と若い僧のストーリーは、その設定の見事さにより、読者の好奇心を刺激する。怖いものみたさを喚起する。
いかにも怪しいシチュエーションは、「これは事件が起こる」と予感させ、それは性的な誘惑を伴うはずであると確信しながら、ページをめくる。
泉鏡花は傑出したストーリーテラーである。
読者は「この女は怪しい」と感じながら、一方で惹かれていくのである。
エンターテイメントとしての完成度は相当なものだと思う。
日本文学最高の幻想小説です。

 

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