松山千春がやっていたNEWSレコードから発売されたためなのか,なぜか今まで復刻されることのなかった名盤がやっと復刻された。
このアルバムが発売された当時,私は中学生で2800円のLPレコードなんて,そうそう買えるわけはなかったけど,出入りしていた楽器屋で村上律(多分)と2人だけのツアーのチケットをもらって,聴いた“コスモス”や“HELP!”,そして“日本海が広がっている”にはやられてしまったものです。
このレコードでは,当時の音楽状況を反映して,結構Newwaveなアレンジがされているのですが(特に“HELP!”),加川良のあのネバっとした唄い方は少しも負けていません。しかし,ギター1本の,あぁ加川良だなぁと思わせる“通りゃんせ”も素晴らしい。もちろんボーナストラックの2曲も素晴らしいです。
これを逃すと,また手にすることができないかもしれないので,加川良が好きだった人も,知らなくても日本のフォークソングに興味のある人は買って損はないと思います。
「働いて,働いて,こんなに曲がっちまってさ。でも覚えてる。今日,君の誕生日(誕生日)」だなんて,今時の軽すぎる唄では聴くことができないですよ。
現在の北山先生には大変失礼ですが、25歳のコンサートに比べ別人のようになられている。声も若々しく。(今の北山先生の声にも渋さがあっていいのですが。)まだまだ歌い続けてください。
「友よ」岡林さんの曲ではありますが、収録した会場の気配が
たまらないです。フォーク黎明期の息遣いをみごとに保存しています。
他の労働歌もいいいですね〜。
観客とともに歌うリサイタル、今やる方がいたら行ってみたいです。
もちろん、うたうのは当時の歌ですけど。
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